はメインユース用にクロモリロードバイクのピンク号、ローラー台専用車として使っているピナレロFP2号（うわぁ何と贅沢な使い方！）、主に犬専用トレーラ「こむカー」を牽引するのに使用している折り畳み小径車のチビ号、の3台のスポーツ自転車を所有しています。勿論3台とも室内保管。複数台を所有して初めて一人前と呼べる、というお話を聞いた事が御座いますけれども、そういう観点から考えれば、私も一応一丁前の自転車人になったと云えるのかも知れません。

　物欲の嵐の中、訳も分からずピナレロ号を購入。FP2というグレードはエントリモデルに過ぎませんが、それでも購入価格は20万円を超えておりました。当時はその高価さに驚いたものであります。しかもそれだけでは飽きたらず、自分仕様とするべく様々な部品を購入しては試し購入しては試し、自転車用品店の売り上げにかな〜り貢献したもので御座います。こうした散財がやっと落ち着いてきたと思った矢先、クロモリロードのピンク号をオーダーしたという訳でありました。

　オーダー自転車は確かに高価です。しかしマスプロダクト品であるピナレロ号に対して行なったような、部品類を買いまくるといった散財は一切なく、追加投資はタイヤやチューブのような消耗品類に限られています。理由は簡単。全ての寸法や仕様を私の好みに合わせて制作して貰ったので、現状に関して全く不満が出ないのでありますよ。

　先日、仕事関係の方との雑談の中でロードバイク購入の話が出て、オーダー自転車には憧れるけど、予算の関係で、まずはマスプロダクト品で我慢しようと思う、というお話をお聞きしました。初期投資は25万円程度をお考えのようであります。折角盛り上がっているお話に水を差してもイケませんし、その場では「何を買うか悩んでいる時が一番楽しいんですよね」などと当たり障りのない会話をしておりましたけれども、本当は是非ともお伝えしておきたい事が有ったのでありますよ。

　高くつきますよ。

　誉田哲也著「プラージュ」（幻冬舎）からのお言葉です。ハンドルやサドルやペダルやコンポーネントやホイールと、欲しいものは次から次へと出て参ります。こうした部品を欲望の囁(ささや)くままに交換し始めたら、10万円や20万円なんてすぐ。結果として、仕様に不満の出にくいオーダー自転車の方が安く上がる事を教えて差し上げたいのは山々なのですが、こうした散財をある程度経験してからでないと、オーダーのメリットを感じる事は出来ないでしょうしねぇ。

　嗚呼、それにしても趣味の世界って、まさに底なしの深淵。一通りハマってみるのも、趣味を極める為には避けては通れない、いわば必要なプロセスなのかも知れませんね。

【つづく】

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