あれこれ memorandoms やすなべ categorized Yasの状況 activities Yasについて about Yas Yasへの連絡 contact us

  チビ号での辛楽しい輪行の旅  

 お出掛け

山中湖は標高が1000mあって
結構、空気が冷たいのです。

 輪行専用車として導入した、ブリジストン・スニーカーライトSNL187、通称チビ号でお出掛けして参りました。ロードバイクのピンクちゃんと比較すれば運動性能的には全く歯の立たないチビ号でありますが、唯一のアドバンテージは気軽に輪行が出来る点でありましょう。簡単にコンパクトに畳めるだけでなく、輪行(きず)を気にしなくて済む点も、グッドであります。

 5月18日(土)は朝から快晴で上々のサイクリング日和。JR日野駅前でチビ号を畳んで袋に詰めます。その間、約3分間といったところ。高価なロードバイクでは傷防止の為の養生に時間が掛かりますし、そもそも後輪を外すとなりますと、ディレイラ(後輪変速機)の保護にも気を遣わねばなりません。その点チビ号は車輪を外さずにフレームを折るタイプですので、輪行準備はあっという間に完了するのであります。

ホテルジャパン箱根の駐車場から
芦ノ湖を望む。

 今朝はまず富士吉田までワープします。JR中央本線で大月まで行き、大月で富士急行に乗り換えて富士山駅(旧富士吉田駅)を目指します。ここで皆様に、富士急行利用の際のワンポイントアドバイスを一つ。大月での乗り換えの手間を考えて、切符はJRみどりの窓口で、目的地の富士吉田まで通しで買っておきましょう。大月の富士急行乗り換え改札ではSUICAが使えず、切符を買うのに時間が掛かりますからね。特に乗り換え時間が5分以内のパターンでは、大荷物とともに切符を求めてウロウロしていると、乗り遅れの可能性すらありますぜ。それにしても富士急行さん、早いとこSUICAに対応してよネ!

 大月から富士吉田までの国道139号線はダラダラとした登りで、自転車では意外に疲弊致します。交通量が多く路肩の狭い国道は、お世辞にも走りやすいとは言い難いですしね。その点、今日は列車で楽々。iPodで音楽を聴きながらウトウトしているうちに、富士山駅に到着です。

 富士スバルラインで開催される、マウント富士ヒルクライムレースが近い事もあってか、富士山駅のロータリーには10台ほどのロードバイクの方が準備中であります。ひゃあ、頑張って下さいね。このレース、まじ過酷。私は過去に一度だけ出場し、その時は何とか完走を果たしましたが、今はもういいやって感じであります。だって北麓公園から富士山五合目までの距離25Km標高差1270mを、ひたすら登り続けるだけの自転車レースなんですよ。だらけきった今の私の身体には、スバルラインは高稼働過ぎますって。

甘酒茶屋の力餅は絶品です。

 富士吉田名物 金鳥居をくぐって国道138号を左折。浅間(せんげん)神社を右手に見ながら、ダラダラとした緩い登り坂を忍野(おしの)村方面へ。程なく山中湖に到着。湖を反時計回りに半周して、篭坂(かごさか)峠を目指します。いやあ、自転車って急がないと意外と楽に登れるもんですなぁ。チビ号は折り畳み小径車で走行性能はロードの比ではありませんが、SPDビンディングペダルのお陰で、かなり楽に漕ぐ事が出来るのであります。今日は、レーパン(自転車用ピチピチパンツ)にレーシングジャージ、ヘルメット装着の上、指切り手袋+アイウエア(サングラス)という完全装備という事もあってか、乗っている自転車はミニサイクルに毛が生えた様なモノなのにも関わらず、すれ違うローディの方々が、皆さん挨拶を返してくれます。

 陽射しは強いとは云え篭坂峠は標高1000m。御殿場への下りは身体が冷えてしまいそうです。ウィンドブレーカを着用して、一気に下っていきます。須走(すばしり)の陸上自衛隊富士学校の脇を抜け、須走南交差点から東側の裏道に入ります。国道138号のこの区間は路肩が狭く荒れていますからね。工業団地の中の木漏れ陽が気持ちの良い道を、一気に下っていきます。

 国道246を渡って、裏道で御殿場市街を目指します。裏道ばっか走っておりますが、これでも一応、元沼津市民なので、御殿場はテリトリー内なのでありますよ。街中に入ると、完全フル装備でミニサイクルに乗っている私に奇異の眼が集まります。ま、あまり気にしないでいきましょう。しずしずとジェントルに、商店街を抜けていきます。東名高速御殿場IC前を過ぎると、いよいよ道は登りに転じます。仏舎利塔(ぶっしゃりとう)を右手に見ながら進むと、国道138号に戻りますのでそこを右折。箱根乙女峠に向けてトコトコと高度を稼いでいきます。

 平地で30Km/h巡航しようとすると大きなストレスが掛かるチビ号でありますが、こうした登りではロードに比べて逆に楽かも知れません。確かに巡航速度は遅い。しかし他の自転車に抜かされても一向に気にならないのであります。ピンクちゃんではこうはいかず、ロードバイク同士の意地の張り合いに発展する事もしばしば。その点チビ号では、精神的な余裕があります。レースじゃ無いもんねサイクリングだもんね、というオーラを出しながら堂々としていられるのでありますよ。逆にチビ号に抜かされるロードバイクはたまったもんじゃないでしょうがね。乙女峠トンネルまでの登り区間で、2台で併走していたロードバイクに追いついたのですが、チビ号に追いつかれた彼らの形相と云ったら、まじ本気でしたもんね。

 乙女トンネルを抜けてすぐ右側のドライブインで休憩です。やっぱ、登坂の後は豆乳ソフトでしょう。ソフトクリームって人類最大の発明品の一つだと思うんだよなぁ。空になっていたボトルにアクエリアスを買って詰め、ウィンドブレーカを羽織って仙石原に向けて下っていきます。相変わらず箱根って着るモノが難しいですなぁ。御殿場まではピーカンだったのに乙女トンネルを抜けたらちょっと(ガス)ってるんですもの、下り坂では寒いくらい。でも頻繁に登り返しがあって、そうすると汗が噴き出します。しょっちゅう脱いだり着たり、忙しいったらありゃしない。

 仙石原交差点を右折。星の王子様ミュージアムの前を通って、湖尻に向かいます。昨年かみさんと見に来たススキの原を抜けて、芦ノ湖岸の段丘のアップダウンを一つ一つクリアしていきます。何気(なにげ)にキツい道であります。桃源台からロープウェーとケーブルカーを利用して強羅(ごうら)まで輪行しちゃう誘惑に駆られますが、はたしてロープウェーが自転車持ち込み可かどうか分からないので、諦めて先を目指す事に致します。

 湖尻で一旦湖岸に降りた後、道は折り返しを経つつ湖岸段丘の上の段に続いています。一気に汗が噴き出します。ホテルジャパン箱根の駐車場で、眼下に広がる芦ノ湖を見ながら小休止。ここからは箱根園ゴルフ場までアップダウンを繰り返す道です。こういう中途半端な負荷って、結構足に来るんですよね。

 ようやく大芝交差点に到着。旧道国道1号線を右折して、畑宿入口交差点から、箱根旧街道に入ります。ご存じの通り、小田原−箱根間の道は多彩で、旧道国道1号線、国道1号箱根新道、箱根ターンパイク、箱根旧街道の4本もあるのですが、その中でも箱根旧街道は、東海道中膝栗毛で有名な旧東海道に沿った由緒ある道であります。お玉ヶ池を過ぎたところ、街道左側の甘酒茶屋で休憩を取ります。この店は江戸元禄年間の開業と云いますから、老舗中の老舗。現店主は十三代目だそうですよ。ここで名物の力餅を頂きます。美味いんだなぁ、これが。

 甘酒茶屋からはひたすら下り。七曲がりを経て、奥湯本の旅館街を抜けると、あっという間に箱根湯本です。早川に掛かる三枚橋を渡り国道1号を右折して、小田原に向かいます。

 程なく小田原駅に到着。富士吉田からの走行距離は約80Km。チビ号のパフォーマンスを考えれば、この程度の距離がちょうど良いでしょう。帰りのロマンスカーで飲んだ生ビールが超美味かったのは、云うまでもありません。これからも、こうした輪行利用のサイクリングに、積極的に出掛けようと思ったのでした。あ〜、楽しかった!Copyright (C) by Yas / YasZone

【つづく】

「あれこれ」の目次に戻る

Copyright(C) by Yas/YasZone