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  今週のお言葉  

 近では、音楽と云えばサブスクリプション契約が当たり前。CDを買う機会など、ほとんど無くなってしまいました。かく云う私もアマゾン・プライム・ミュージック・アンリミテッドを利用しております。スマートフォンやアレクサ端末での使用は当然として、カーオーディオとしてもガンガン使っておりますよ。

 私が高校生の頃、〜約40年も昔のお話ではありますが〜、標準的なLPレコードの価格は確か2,800円でありました。40年前の2,800円と申しますとそれはそれは大層な金額でありまして、特に高校生にとっては、LPレコードは勿論気軽に購入出来るようなモノではありませんでした。小遣いを貯めて、吟味して吟味して購入する。そしてそれを擦り切れるまで繰り返し繰り返し聞いたものであります。あの頃は曲名はおろか、全ての歌詞も暗記するほど聞き込んだものです。

 あの時代に比べますと、音楽を聴く環境は信じられない程に進化致しました。そもそも同じLPレコードやCDを繰り返し聴く事など無くなり、曲名やアーティストを限定せず、流行のプレイリストを流すのが当たり前になりましたしね。ああ、最近よく聴く曲だなとは認識するものの、一々画面を確かめて曲名やアーティスト名を確認する事もありません。いい曲だなと感じたら「いいね」ボタンを押すだけで、それ以降の選曲を私の押した「いいね」を参考に、AWS(Amazon Web Service)のAIが勝手にリコメンドしてくれますから、アーティスト名を調べてわざわざ検索掛ける必要すらないのであります。

 ほとんどの曲はBGMとして聴き流していますけれども、「お、いいな」と感じてアーティスト名を確認する事も、たま〜に有って、今まで知らなかったアーティスト名に触れ、そのアーティストの楽曲を検索して、横断的に聴いたり致しますと、何かこう特別な親近感が湧いたりするものですな。

 名を知る、知らぬは大した事では無いかも知れないし、又、その事は実体を知る知らぬとは別の事かも知れない。然し、名を知る事でそのものと自分の距離が甚だしく縮まる事は確かである。

 (だん)伊玖磨(いくま)著「よもすがらパイプのけむり」(朝日新聞社)からのお言葉です。サブスクリプションサービス全盛の今、昔のように特定のミュージシャンや特定のアルバムを繰り返し聴きまくる人は、もはや稀でしょう。逆に、今の中学生や高校生は物心ついた頃から何の制限もなく好きな曲を聴きまくっている訳で、このように湯水の如く音楽のシャワーを浴びて育った若者たちの中から出てくる、これからの若いミュージシャンがどのようなスゴい曲を提供してくれるのか、ちょっと楽しみであります。それにしても音楽が聴き放題だなんて、凄い世の中になったものでありますなぁ。Copyright (C) by Yas / YasZone

【つづく】

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