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  今週のお言葉  

 年末に仕事で使っていたメインPC(Windows10)のCPUボードが故障し、OSはおろか、BIOSやIPL(イニシャル・プログラム・ローダ:Windows本体を立ち上げる為のプログラム)すら正常に動作しなくなってしまった事は、以前書かせて頂きました。メインマシンの故障は、業務に多大な影響を及ぼします。ただし私の働く万願寺基地では、業務データの保全には万全の注意を払っておりまして、ディリーバックアップは当然の事、主要マシンのハードディスクはRAID構成にして完全に二重化されておりましたので、幸いな事に今回の機器故障が仕事自体に致命的な影響を与える事態には至りませんでした。

 とは云え現在は非常に古いWindowsXPベースのノートPCをフロントエンドとして用いらざるを得ず、当然のごとく不便な運用を強いられております。頼みの綱のDELLの新マシンは、当初年内納品の予定であったにも関わらず通関に手間取ったお陰で実際に到着したのは1月6日。しかも待ちに待ったそのマシンが初期不良で立ち上がらないとは、まさに泣きっ面に蜂の状態でありましょう。

 一般的にこうした仕事用のマシンというのは、正常に動いているのが当たり前で、修理や交換に伴うデータの入れ替えやセットアップは、「手間」として捉えられがちであります。ところが私は、各種インストール、64ビットアプリケーションに対するプライオリティの設定(いわゆるパフォーマンス・チューンナップ)、セキュリティ構築、バックアップ・トランザクションの見直しとその自動化ルーチンの作成といった、雑多な設定作業が実は大好きであったりします。

 ずれているのかもしれない。ただこれがずれているんだとしたら、今までだってずっとずれていたんだ。

 住野よる著「よるのばけもの」(双葉社)からのお言葉です。昨今、iPadやiPhone、Androidスマートフォンの台頭により、PCの出荷台数は激減していると聞きます。おそらくオフィスでのPC使用数自体はそんなに変わらない筈ですから、家庭におけるPC離れが深刻な域に達しているのでしょう。

 スマートフォンに代表される電子通信機器が家電化し、普及浸透している事は必ずしも悪い事だとは思いません。これらの主たる使用者である若い衆が、ネットワーキングやデータ処理やセキュリティに何の関心も払わずに、便利なブラックボックスとして使っている事自体に問題があると思うのです。中の仕組みに興味があるからこそ、技術資料を読んだり、セキュリティ設計を考えたりする気になります。若い衆が仕組みに関心を持たず、外面的な機能を享受するばかりでは、技術立国としての(いしずえ)は先細りになるばかりでありましょう。

 なぁおい、お前さん等の大好きなLineのメインサーバは、韓国国内に設置されているんだぜ。ipアドレスを国際割り当て表と見比べりゃ一目同然だろうがよ。重要な通信インフラを他国の一民間企業に任せるのは危ないと思わないのかい?個人情報保護法は日本の法律であって、国際的に網羅されている訳じゃないんだ。バケツリレー方式(分散管理方式)のメールシステムとは異なり、昔のパソコン通信(と云っても若い衆には分からないかも知れねぇが)と同様のホストシステムだから、元を止めるだけで、全Lineシステムはダウンするんだ。情報はサーバに集中していて管理者は中身を見放題さ。以前米国を中心とした西側諸国が巨大な盗聴システム、エシュロンの開発に躍起になっていたようだけど、Lineは自社サーバ内を検索するだけで全通信を把握する事が出来るのさ。

 以前、こうしたディジタル機器をイジったり調整したり改造したりする事は、若年層にその中心がありました。ところが今は違います。例えばYas家におきましても大学生の息子たちはトロンとした精気のない目でLineを立ち上げ何やら入力しているばかり。家のWifi機器がどのようなパケットをフィルタリングしているのか、どのような暗号化が設定されているのか、何度説明しても全く分からず(きっと聴く気がないんだなぁ)、Wifiへの接続設定を50歳代のオサ〜ンにやって貰わなければならない始末。

 自転車のパンクも直せない、オートバイのプラグ交換も出来ない、そもそも車にはオイルが入っていて定期的に交換しなければならない事も知らない、オーディオの配線も出来ない・・・。「今時の若いモンは」と云い始めたらオヤジの始まりである事は重々承知しておりますよ。でも明らかに我々が若い衆だった頃とは、ずれているんだよなぁ。感覚的なものではなく物理的にね。ちょっと最近、日本の将来を憂いでしまうのでありました。Copyright (C) by Yas / YasZone

【つづく】

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