がら作業というのが根本的に肌に合わず、テレビがついていると新聞も読めませんし、音楽を聴きながらPC作業をする事も出来ません。全く集中出来ないのです。私の脳はマルチタスクに向いていないのでしょうな。
従いまして、読書をするに当たってノイズキャンセリング・ヘッドホンは必需品であります。静かな深夜帯の読書ではそうでもありませんが、環境音程度でも嫌なのです。
それにしてもデジタル技術の進化には驚かされます。ノイズキャンセリング・ヘッドホンを耳に装着して音楽を流さず無音の状態にしておきますと、目を瞑ればまるで海の底にいるかのように、きれいに周りの音を消してくれるのですから。耳元のマイクで拾った音を半波長だけ位相をずらして再生する事で波を物理的に打ち消す仕組み。こう書くと簡単のように感じるかも知れませんが、こうした高度な処理をごく小さな筐体の中で遅延無く高速に実行するデバイスがたったの数千円で買えるのですから、いやはや良い時代になったものであります。
雨の休日などはどこへも出掛けず、ノイズキャンセリング・ヘッドホンを装着して読書を楽しむ事もしばしば御座います。床に寝ころんで小説を読み始めた途端、私の脳は実生活を離れ、小説世界にダイブして行きます。飲み食いもしません。完全に没入するのが私の読書の流儀であります。一冊読み終えて起きあがりますと、変な格好を長く続けたせいでしょうか、腕から肩・首にかけて完全にこわばってしまっている事に気付きます。あいててて。完全に凝っちゃったよ。しかし不思議なものですなぁ。読んでいる最中は凝りなど全く気にならなかったのに、読み終えた途端に痛みを感じるとは。
うわー、脳内麻薬出てたー。
有川浩著「植物図鑑」(角川書店)からのお言葉です。一旦小説世界に入り込むと読み終わるまでは完全に集中してしまうので、かみさんは私の休日昼間の読書をよく思っていない様子。かみさんにしてみれば、自分が放っておかれた気分になるのでしょう。ま、確かにノイズキャンセリング・ヘッドホンをしていれば、ちょっと声を掛けられたくらいでは全く気がつきませんからね。Kazちゃんゴメン。小説はなるべく深夜帯に読むようにして、一緒にいる時はKazちゃんを放置しないようにするからさ。機嫌直してくれよ〜。
【つづく】
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