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  今週のお言葉  

 のこむぎは散歩が大好き。通常、朝のこむ散歩は私が担当しています。私の仕事は午後スタートですので、午前中は割と自由に過ごせるのでありますよ。

 散歩と云っても、その中身の濃さは相当なものでありまして、多摩動物公園の周りを時計回りに大きく一周するコースが、いつもの我々のルート。最近は、かたらいの路だけで終わりにするのではなく、鹿島台の住宅地を抜けて、高幡不動尊の裏山から高幡山の散策路を経て、お不動さんにお参りして、程久保川沿いを帰ってくるという大回りルートが、私とこむぎの間で一般的になりつつあります。

 山道区間だけでも4Km以上、全長6Kmを優に越えるこのコース、アップダウンも結構ありますし、人間にとっても健康的な道であります。ましてや犬のこむぎは、長い伸縮リードを使っているという事もあって自由気儘に、ダッシュしたり、藪に入ったり、穴を掘ったり、高幡不動の屋台で大好物のベビーカステラ買って貰ったりと、朝のロング散歩を大いに満喫している様子。いやぁ実際、晴れてさえいれば、ほぼ毎日こうした散歩に連れて行って貰えるこむぎは、飼い犬の中でも相当幸せな、恵まれた部類に入るのではないでしょうか。

 晴れの日は良いとして、雨の日の散歩は、程久保川沿いの遊歩道を往復するだけの近距離に変更されます。運動と云うよりは、おしっこしてうんちしてお仕舞いという感じ。こむぎは家でおしっこやうんちをする習慣がありません。ですから雨の日でも必ず散歩に出掛けなければならない訳であります。

 晴れの日の散歩が約2時間程の山道ウォーキングであるのに対して、雨の日は平地をホンの30分間弱歩いて終わり。当然こむぎは欲求不満気味になります。でもしょうがないじゃん、雨なんだからさ。そもそも普通の犬の散歩って、20分〜30分程度が平均的だと思うぜ。

 雨の日の午前中は、散歩に時間が掛からない分、余裕が生まれます。集中して読書する事もありますし、ローラーゴンゴロしながらDVDを観る事もあります。ローラー台に設置されているロードバイクのピナレロ号の前方にはポータブルのDVDプレーヤが置かれていて、ゴンゴロしながらの視聴が可能なのです。ローラー台って単調なので、DVDを観ながらでないとすぐに飽きてしまうのでありますよ。このプレーヤの画面は10インチしかないので、ほぼ邦画専用。自転車を漕ぎながら10インチ画面で字幕を追うのって意外に大変ですからね。洋画が観たい場合はローラーはお休みにして、1Fのリビングのテレビで視聴致します。リビングのテレビはフルハイビジョンの50インチですから、落ち着いて映画を見るには最高の環境なのであります。我ながら、なんて優雅な午前中の過ごし方でありましょう!

 さて、先日のお話であります。明け方まで降り続いた雨が上がったのは午前6時半を過ぎた頃。散歩に出発する7時半過ぎは、薄曇り程度まで天候が回復してきておりましたが、地面は相変わらずベショベショの状態。いつもの散歩道は山道がメインですから、長靴を履いて出ないと靴はグシャグシャになってしまうでしょう。こむぎ本人も泥の跳ね返りでお腹が汚れるのは確実で、帰宅後の全身シャワーは必須。う〜ん、こういう日の散歩は面倒だなぁ。折しも村上春樹著「女のいない男たち」(文藝春秋)が昨日アマゾンから届いたばかり。無理すりゃ山道に行けない事もないでしょうけれども、今日の散歩は雨の日バージョンで誤魔化す事に致しました。

 こむぎをつれて程久保川沿いの遊歩道を往復します。一応1Km以上ありますから犬の散歩としてはこれだけでもまあまあのレベルの筈。しかし普段のダイナミックな散歩に慣れ切っているこむぎにとっては、だいぶ物足りない様子であります。散歩中に更に天候が回復してきて、陽が当たり始めましたよ。土の部分はまだ濡れていますけれども、アスファルトは既に乾き始めています。でも、一旦本を読むつもりになっちゃった事もあり、遠出はヤメて早々に帰宅致しました。

 こむぎの足を洗ってご飯をあげて、ふとウッドデッキを見ると完全に乾いた状態。暑くもなく寒くもないこの季節、ウッドデッキは気持ち良いんですよね。コーヒーを淹れ、村上春樹の新刊を持ってウッドデッキに出ます。我が程久保基地のウッドデッキにはテーブルとイスが置いてあって、ちょっとしたカフェスペースとして使えるのでありますよ。ウッドデッキに繋がるリビングの掃き出しの窓を開けておいたところ、犬のこむぎや、猫のゆず、みみもウッドデッキに出てきて、それぞれ寝ころんで(くつろ)いでいます

 私は決して村上春樹ファン、いわゆるハルキ二ストではありません。逆に彼の長編はちょっと苦手な位。ところが今回の新刊「女のいない男たち」は久々の短編集ですので、割と抵抗無く読める感じが致します。ま、例の独特の文体がちょっと鼻につきはしますがね。

 ふと気がつくと、腿をグイグイ押してくるヤツがいます。犬のこむぎです。私の腿に頭を押しつけてくるのです。これは彼女の「ねぇねぇ散歩に行こうよぅ」の合図。こむちゃん、今散歩から帰ってきたばかりじゃん。どうもこむぎは、こんなに良い天気になったというのに、いつもの長距離散歩ではなく、雨天バージョンにされたのが気に入らない様子。執拗にグイグイと頭で押してきます。「もしかして父ちゃん、はじめから村上春樹の新刊を読む気満々で、路面が濡れているのをこれ幸いと、雨天バージョン散歩で誤魔化したんじゃないの?!」と訴えかけているかのようであります

 痛いところを突かれたな。

 島本理生著「大きな熊が来る前に、おやすみ。」(新潮社)からのお言葉です。自分の行動を飼い犬に見透かされるとは、恥ずかしい限り。でもさ、こむちゃん。いつもきちんと長距離散歩に連れて行ってあげてるんだから、今日くらいは勘弁してよね。お詫びと云っては何ですが、大好物のチーズを一切れあげたら、一発で機嫌を直した現金なこむぎなのでありました。Copyright (C) by Yas / YasZone

【つづく】

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