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  犬としての幸せ  

 お出掛け

多摩モノレール多摩動物公園駅
正面は動物公園の山林

 他の家の犬の状況が全然分からないので感覚的な印象だけでお話しさせて頂きますと、Yas家のこむぎは、犬としてはかなり恵まれた、幸せな生活を送っているのではないかと思うのです。

中央大学の裏山の栗林の道にて

 元々彼女は、生まれたばかりの子犬の頃千葉で捕獲され、薬殺寸前のところを縁有ってYas家に引き取られたという経緯がありますので、勿論生まれた時からずっと幸せであり続けた訳ではありません。しかし人生の大半をYas家でノビノビと暮らしているうちに、以前の恐怖の記憶は薄れてきたのでしょう。貰われてきたばかりの時のような、人見知りの強い極度に怯えた振る舞いは、最近では一切無くなりました。猫のゆずやみみと一緒に無邪気に遊び、三匹で水飲み場を共有、一緒の毛布で寝て、時に気の強いゆずにいじめられる事もありますけれども、概ね仲良く暮らしています。やはり安心して過ごせる環境が良い方向に働いたのでしょう。明るく屈託のない、無邪気な優しい性格の犬に育ちました。

光塩幼稚園の教会付近から撮影。
右が都立七生公園の山
左が平山台の山。
これでも一応都内なんですケド。

 彼女の一日は散歩で始まります。朝のむこぽんさは主に私の担当。休日など特別な場合を除いて、散歩のコースは大体一定しております。この朝の散歩が、距離と云い斜度と云い自然の豊富さと云い、かなり充実しているのでありますよ。やはり犬にとっての最大の楽しみである散歩のクオリティが高いと、幸せ度は一気に上がりますもんね。

 程久保基地を出てモノレール沿いを多摩動物公園駅の方に歩いていきます。この辺りは多摩動物公園を中心に雑木林が多く残っており、東京都内とは信じられない位、山林が広がっています。こむ散歩は、こうした多摩丘陵の自然が満喫出来る、里山の道を歩くルートなのです。

かたらいの小径にて

 駅を過ぎると中央大学の裏山に沿う形で、林の中の道を進みます。ここには何本か大きな栗の木があり、10月の末頃は地面にたくさんのイガが落ちています。特に農産物として育てている風でもありません。天然の木なのでしょう。栗自身は実が小さくて、あまり積極的に食べたくなる栗ではありません。売っているような大きな栗に育てるには、きっと大量の肥料を施さなければならないのでしょうね。実はこの栗林の道の本当の狙い目は、アケビの実であります。栗の木に(つる)が巻き付き、青と茶色の混ざったような実がなっています。少しボケた甘さで、懐かしい感じの味がして美味しいんだなぁ、コレが。

こむぎが捕まえた、もぐたん。
気絶しているだけです。
ご安心を。

 栗林の道を抜けると光塩(こうえん)幼稚園の教会の脇に出ます。ここからは一旦道路に出て、歩道を旧多摩テック方面に歩いていきます。道路を挟んで右側が都立七生(ななお)公園の山、左側が平山台の山です。この辺りはまさに多摩丘陵の一部となっており、結構しっかりした山林がそこここに残っているのです。

 道路を右に外れ、七生公園の山に分入っていきます。この遊歩道は日野市が管理している「かたらいの(みち)」。きちんと整備された、歩きやすいハイキング・ロードであります。ここら辺にはウズラやモグラが生息しており、こむぎはこれらを捕まえるべく夢中で(やぶ)に入ったり、穴を掘りまくったりしています。彼女はかつてここで一度だけ、偶然にもモグラを捕まえた事があるのです。こむぎに捕まり驚いて失神したモグラは、私が写真を撮っているうちにすぐに目を覚まし、素早く逃げていきましたよ。私も野生のモグラを見たのは、後にも先にもこの時だけ。モグラって、実際には結構青っぽい色をしているのですね。こむぎはその時の興奮の記憶がまだ残っているのでしょう。ここに来ると必ずクンクン臭いを嗅ぎつつ、穴を掘るのです。もしかすると、狩人の血が騒ぐのかも知れませんね。普通に道路を歩くだけの散歩と異なり、犬としてみりゃ、こりゃもう遊園地のアトラクションレベルの楽しさでしょう。喜々として夢中で駈け回っています。

南平の裏山から
浅川の河岸段丘を望む

 七生公園は多摩動物公園に隣接した自然公園です。正面入口付近はベンチやトイレなどが整備されていますが、こむ散歩コースに当たる奥側の部分は、広葉樹を中心とした雑木林が自然のまま残されています。地面は落ちたドングリで一杯。七生公園も多摩動物公園も、同じ都立公園ですから管理も共通なのでしょう。何箇所か通用門で繋がっています。ま、これらのゲートは施錠されていて、普段は行き来する事は出来ないのですがね。

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 周囲の住宅への臭いの問題を解決する為でしょうか、動物園と住宅地の間は、かなりの幅の雑木林が確保されていて、いわば緩衝地帯(バッファゾーン)として機能しています。この緩衝地帯の林の中をかたらいの路が通っているのです。動物園側の金網には鉄板が貼られていて、狸などが金網を登って園内に入れないようにされています。これだけ広い山林ですから、相当数の狸が生息している事でしょう。夜になると程久保基地の近所のセブンイレブンの横に、狸のつがいが座って居るのをたびたび見る位ですからね。

 多摩動物公園の正門は程久保に位置していますが、敷地の反対側は南平の住宅地に面しています。こむ散歩は動物園を時計回りに一周するコース。林の切れ間から下界を見下ろすと、南平(みなみだいら)から浅川(あさかわ)、更に浅川の河岸段丘の上の段の豊田や多摩平までが一望出来ます。夜に来れば、きっと夜景が綺麗なのでしょうなぁ。

 一旦南平の住宅地に出て、再び山に入ります。右手に動物公園の林、左手に日本野鳥の会の林を見つつ、山道を登ります。結構アップダウンがあり、早足ではすぐに心拍数が上がってしまいます。道なりに進むと程なく視界が開け、鹿島台の住宅地に出ました。ここからは谷状に眼下に広がる程久保の住宅地が一望出来ます。谷を跨いだ向こう側は、明星大学の山。遠くには新宿の東京都庁のツインタワー、そのちょっと左手遠方にはスカイツリーまで見通せます。かたらいの路はここで一旦お終い。後は坂を下って住宅地を抜け、程久保基地に戻るだけであります。

 アップダウンに富んだ4.5Kmの山道を約1時間で歩くと、気温10度でジャージの下にはTシャツ一枚しか着ていないと云うのに、しっかり汗をかいています。こむぎの為の散歩とは云え、私にとっても結構いい運動です。

 このコースが、こむ散歩の朝の標準コース。大雨だとさすがに別の短いコースに変更しますけれども、多少の雨なら標準コースを強行するのが常。毎日の散歩がこのクオリティなのですよ。ね?お分かり頂けましたか?いかにうちのこむぎが恵まれた生活を送っているかを。いやあ、ヤツは近所の犬の中では、かな〜り幸せな部類に入るのではないかと思いますぜ。そして彼女と一緒に毎朝散歩に行ける私も、かなりの幸せ者なのでありました〜。Copyright (C) by Yas / YasZone

【つづく】

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