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合皮のカバーにスピンをつけてみました |
字中毒者の私は、かなりの量の書籍を古書店で購入致します。何もコレクターズ的な志向でそうしているのではなく、少しでも書籍費を安く上げようという、さもしく吝嗇な動機に過ぎません。更に老眼(壮年性近距離限定焦点合わせ困難症)の身には文庫本の活字はあまりに小さく、四六判のハードカバーの方が圧倒的に読みやすいのですけれども、ハードカバーは文庫に比べてかなり高価でありますから、自然とブックオフなどの古書店に頼る事になってしまうのは、仕方がない事でありましょう。何しろ平均で定価1,200円程度するハードカバーが軒並み108円とくりゃ、利用しない方がどうかしているというものであります。
最近はアマゾン・マーケットプレイスに出されている古書も積極的に購入しています。新刊書店の文庫本売れ筋ランキングの棚で好みの書籍を見つけると、すぐにこれを購入せず、スマートフォンからアマゾン・マーケットプレイスの単行本の中古在庫を検索。多くの場合、文庫本の新品価格よりも安い値段で販売されている中古の単行本が見つかりますので、これをネット注文するというやり方です。
文庫本が出回っているという事は、単行本の新品は既に書店には無い可能性が高いという事。ハードカバーを手に入れたければ古書を買うしかありません。私の場合、新品であるか否かにはほとんど頓着がありませんから、中古品でも全く構わない訳です。読みやすい単行本が文庫よりも安価に購入出来るのは大きなメリットであります。最近では湊かなえ著「Nのために」(東京創元社)をこの方法で手に入れました。「Nのために」はテレビドラマ化された事もあって、書店では双葉社から出された文庫版が山積みされ、大々的にプロモーションが打たれていましたが、単行本はそこには一冊も置いてありませんでした。きっとTBSテレビと双葉社の共同プロモーションだったのでしょう。ハードカバーの版元の東京創元社は、完全に蚊帳の外って感じであります。
書店に出掛けておきながらネットで注文する行為は決して誉められたモノではありませんけれども、勿論、その分、新刊のハードカバーをガンガン購入しておりますから、何卒勘弁して頂戴ネ、丸善書店さん!
新刊を購入すると、レジでブックカバーを掛けるかどうかを尋ねられるのが常。私はこれまでほとんどの場合、カバーを掛けて下さい、とお願いして参りました。喫茶店などで読書する際、周りの目がちょっと気になったりする事がありますからなぁ。ところが、中古で購入した書籍は当然の事ながらカバーなど掛けて貰える筈も無く、その為に、新刊書店で掛けて貰った紙のカバーを捨てずに取っておいて、中古の本に掛けたりしていたのでありました。
先日、ふと、かみさんの手元を見ると、本に布製のブックカバーが掛けられているではありませんか。私の蔵書から読みたい本を選んで、通勤電車の中で読んでいるようなのですが、やはり他人の目が気になるようで、布製のブックカバーを購入したとの事。こりゃ良いや!早速、私も真似をして、ブックカバーを購入してみましたよ。540円の合皮製。安い割にはそれなりの高級感もあり、何しろ何回も使えますから、エコロジーの観点からもグッドであります。
使用してみての唯一の難点は、スピン(しおり紐)の無い単行本における取り扱い位でしょうか。一々しおりを挟まねばならず、これが結構面倒なのですなぁ。スピンの無い本の場合、今までは紙のカバーを当該ページに挟み込む事でしおりの代わりとしておりました。ところが今回購入したブックカバーが本を完全に包み込む構造である為に、これが出来ないのでありますよ。
逆転の発想で、ブックカバーに接着剤でスピンを取り付けてみました。うふふ、我ながらナイスアイデア!非常に使いやすくなりましたよ。今回は安い割には良い買い物でありました。
【つづく】
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