日、久々に近所のスターバックスでアイスコーヒーを飲んだのですが、いつの間にやらストローが紙製に変更されておりました。飲んでいるうちに水を吸ってフニャフニャになってきてしまい、これが具合があまり宜しくないのであります。
いわゆる「マイクロプラスティックによる海洋汚染防止」の為の企業活動の一環なんでしょう。確かにプラスティック製ストローを使わないという姿勢は、企業イメージの為にはある程度は有効かも知れません。しかし何か間が抜けていると感じるのもまた事実であります。
そもそも、プラスティックをゴミとしてきちんと廃棄する事と、海洋や河川に違法に投棄する事は、全く別次元の話だという点が挙げられましょう。例えば私の住む日野市では、不燃物とプラゴミを分別して収集しています。不燃物はいわゆる「埋め立てゴミ」として扱うのに対し、プラゴミは可燃物を焼却する際の燃料として使用するとの事。元々可燃物の焼却の為に重油等の燃料が使われていたのですが、プラゴミをその代わりとする事で、化石燃料の使用を減らせるという訳です。
ストローをプラスティックで作るのがいけないのではなく、不法投棄を厳しく取り締まれば良いだけではありませんか。そもそもプラスティックストローがマスコミで槍玉に挙げられたからと云って、ストローだけを紙製に変えたところで、肝心のカップはプラスティック製のまま。プラスティックの使用量を考えれば、まさに笑止であります。
解体した木造家屋の廃材は、燃やすしかない。再利用しやすい鉄を多用した家のほうが、よほどエコロジーだ。
羽田圭介著「滅私」(新潮社)からのお言葉です。表面的なイメージだけで行動するのではなく、材料毎に具体的なリサイクルやリユースの仕組みや制度を設計する事が大切だというのに、ストローにだけ反応するとは、あまりに軽薄短小で、逆に企業イメージの保持だけが目的でエコロジーの事なんて別に興味ないもんね、と云っているように感じてしまいます。
こういう大きな仕組みや指針こそ民間任せにしないで、公共主導で音頭を取るべき最たるモノだと思うのですが・・・。普段はペラペラとよく喋る小池劇場も、こういう事についてはダンマリなのでありました。
【つづく】
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