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  今週のお言葉  

 に第何波か分からなくなりつつありますが、東京都は未だにコロナ患者の全数把握をし、毎日々々新規罹患数を発表し続けています。報道によりますと、厚生労働省の指示で、今後は全国一斉にコロナ罹患者の全数把握をやめるとの事。HER-SYSへの個人情報入力は、医療現場での事務作業負担を(いたずら)に増やしているとの話ですので、医療逼迫の大きな原因である事は間違いないでしょう。そもそも Withコロナを謳い海外からの入国制限を大幅に緩和しながら、罹患者の管理は第5類相当の厳格なものを踏襲する姿勢は、あまりにもチグハグと云わざるを得ません。

 元々は、不要な事務作業(HER-SYSへの個人情報入力)に起因する医療逼迫に喘ぐ自治体から、全国知事会を通じて、厚生労働省にコロナ罹患者の全数把握の停止が打診されたと聞きます。こうして一旦は各自治体の判断に任された筈でしたが、肝心の東京都が「都民の安心の為に、全数把握を継続する」と云い出しました。二階に上がって梯子を外された格好の厚生労働省は怒り心頭に違いありませんナ。

 「安全だが安心じゃない」などという訳の分からない屁理屈で不当に遅れさせられた豊洲市場への移転が思い出されます。医療逼迫(ひっぱく)の原因である事が分かっているのに、ご自分の立場だけを優先して全数把握を継続するとは、まさに小池劇場健在であります。これで軽症や無症状の方の対応に追われて、コロナ重症者や他の疾患や怪我をした方の治療が遅れたら、どうしてくれるのさ!

 小池都知事は「正確な数字の把握はこれからの大きな方針を決定する為の重要なデータとなる」と、賜っているようですが、高校に戻って数学を勉強し直して欲しいものであります。ま、戻るのはカイロ大学でも良いですがね。あれ?卒業してなかったんだっけ?カイロ大学。

 数字の細かさは正しさを保証しない。

 柞刈(いすかり)湯葉(ゆば)著「まず牛を球とします」(河出書房新社)からのお言葉です。大きな方針を決定する為のデータ、いわゆるビッグデータを得るに当たって、全数把握は必要ではありません。例えばテレビ視聴率が良い例でしょう。偏りの無いサンプリングが出来れば、少ないデータを用いて高い精度で傾向の全体像を把握出来るのです。一般的なアンケートもそう。こんなの子供でも分かる理屈ではありませんか(数学的に理解するには高校生程度の数学力が必要ですが)。

 濃厚接触者をトレースし感染源を特定するなどの、個別の状況把握の為ならば全数調査は確かに必要かも知れません。でも既に我が国は Withコロナのフェーズに舵を切ったのです。意味のない事にいくらお金を掛ける心算でしょう。貴重な医療リソースをどれだけ疲弊させたら気が済むのでしょう。先進国で未だにこんな事してるのは、我が国だけ。小池さん、こちとら一生懸命働いて都民税を納めておりますがね、科学的根拠の無いあなたのパフォーマンスに、我々の血税を使うのをやめて頂けませんか、いやマジで。Copyright (C) by Yas / YasZone

【つづく】

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