近、物欲が減退してきてしまって、欲しいもの、買いたいものが無いのであります。今月末は私の誕生日。かみさんがプレゼントを選ぼうと情報収集をしているようなのですが、何か全然気持ちが盛り上がらないのでありますよ。

ねぇねぇYasちゃん。

なあに？

もうすぐYasちゃんの誕生日じゃん。

うん、そだね。

何か欲しいもの無い？

う〜ん、それが無いんだよ。

え〜！自転車の部品とかは？

今は間に合ってるんだ。

じゃ、PCとか周辺機器とかタブレットとかは？

それも特に欲しいもの無い。

服は？

俺、元々、服に全然興味ないし。

そうだ、腕時計は？

今使ってるの凄く気に入っていて、他には別にイイや。

じゃ万年筆は？

国産の安いヤツ使ってるけど書き味上々だよ。更に買う必要はないなぁ。

もう！これじゃプレゼント、決められないじゃん。

　コロナ禍もあって最近とんとお会いする機会がないのでありますが、我が人生の師、ともちん師は、最近、折りたたみの超小径自転車を新調したようであります。同様に、友人のうり坊氏はランドナー（旅行用自転車）に興味津々のご様子。良いなぁ、欲しいモノがあって。小説を読む以外に、私の物欲を刺激するモノが無いなんて、つまらない話。

　羨ましい限りです。

　三上延著「ビブリア古書堂の事件手帖II 扉子と空白の時」（メディアワークス文庫）からのお言葉です。物欲の嵐が吹き荒れる時は、夜な夜なネットの情報を読み漁さり、胸焦がしつつ身悶えて、予算を鑑(かんが)み逡巡(しゅんじゅん)致します。まさに初恋の心根(こころね)に似た、不整脈になりそうな、ある種の快感。それが最近、とんと減退してしまっているのであります。生活に支障がある訳ではないのですが、ちょっと寂しい感じが致します。

【つづく】

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