人の息子達はそれぞれ社会人となり家を出て、我が程久保基地には、私、かみさん、猫のゆず、猫のみみ、犬のこむぎ、の2人と3匹が暮らしています。元々子育ての為に購入した程久保基地の間取りは4LDK。我々夫婦二人だけで暮らすには広過ぎますので、「本を読む為の部屋」とか「筋トレする為の部屋」とか、かなり贅沢な使い方をしております。
と云いつつ、主に使うのはリビングと寝室ばかり。起きている間はリビングで二人でお茶飲んだり、音楽を聴いたり、テレビを観たりして過ごし、寝るのは二階の夫婦の寝室という具合です。
猫のゆずは独立心が旺盛で我が道を行くタイプですので、常に独りで寝ています。最近の彼女のお気に入りは風呂場の脱衣所の床。ヒンヤリした床で長く伸びて寝るのが彼女のマイブームとなっています。
ゆず以外の、猫のみみと犬のこむぎは、我々が夜の家カフェを終えて、二人揃って歯磨きをしていると、そろそろと二階に移動を開始します。彼女らは我々の布団で寝るのが大好きなのです。
リビングの収納壁の2ブロックを使って猫専用の「猫アパート」も作ってありますし、段ボール製のこむぎ専用の「こむハウス」もあるのに、彼女らは毎晩々々我々の寝室で寝たがるのであります。
不思議な事に、勝手に単独で寝室で寝る事はありませんから、単に布団が好きという訳でもなさそうです。私とかみさんが寝ようとすると、二匹とも寝室に移動を開始するのですから。
私とかみさんと猫のみみと犬のこむぎが、一つの布団を取り合いながら寝るというのが、我々の普段の生活であります。暑いのに、何でくっついてくるのでしょう。
人という愚かな種のために、神様だか仏様だかが遣わしてくれた生き物なのだ。人の心を理解し、人に寄り添ってくれる。こんな動物は他にはいない。
馳星周著「少年と犬」(文藝春秋)からのお言葉です。アニマル・セラピーという言葉があるそうですけれども、犬や猫が家にいる事で、どれほど我々の心が和まされるか、その効果ははかり知れません。猫同士の喧嘩を犬が仲裁したり、水飲み場の順番を猫に譲ったり、彼女らなりの社会規範に従って楽しく暮らしているようでありますよ。
ゆずは12歳、みみは11歳、こむぎは10歳。子猫や子犬だった彼女らも、気づけばすっかりお婆ちゃんになりました。今のまま、健やかに楽しく長生きして貰いたいなと考えております。
【つづく】
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