ロナ禍による外出自粛要請が徐々に解除されつつあります。確かにピーク時に比べれば一日当たりの新規感染者数も落ち着いているようにも見えます。しかし東京都内におけるコロナウィルスの抗体保持者は全体の僅か0.1%に過ぎず、ワクチンの開発が途上である現在の状況を鑑みれば、いつ爆発的流行が発生してもおかしくないのは確実でありましょう。ウィルスが消えて無くなったのでは無いのですから。
近所の多摩動物公園の入り口付近は、多くの人々でごった返しております。しかも結構な割合でマスクをしていない。いくら自粛要請が緩和されたとは云え、咳エチケットやらソーシャルディスタンスやら、守るべき新たなコモンセンスをもっと意識して頂きたいのであります。
外出制限で鬱憤が溜まっているのは理解出来ますよ。でもね、こちとら東京都の要請に従って7週間も事業を休業した訳で、それなりに大きな経済的打撃を受けているのです。みんなで力を合わせてこの国難を乗り切ろう。体力が落ちているお年寄りや既往症をお持ちの方の命を守ろう。こうした助け合いの精神で、泣く々々店を閉めていたのです。決してあなた達がマスク無しでデカい声で喋って飛沫を飛ばしまくるのを助ける為に、営業自粛していた訳ではないのであります。
呉れ呉れもたのむ。叱られた時だけではダメなのさ。いつでもさうでなければ困るのだ。
坂口三千代著「クラクラ日記」(文藝春秋)からのお言葉です。「自分は別にコロナに掛かっても良いや」ではなく、もっと社会全体の事を考えましょうや。せめて子供達の前では規範となるべき態度をとるのが大人というものではありませんか?永遠に自粛し続けろと云っているのではないのです。出掛ける事自体をやめろと云っているのでもありません。有効なワクチンが開発されるまでの間、マスクとかソーシャルディスタンスなどの不便を、少し我慢すれば良いだけなのですから。
【つづく】
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