週の日曜日の事であります。前夜に自転車の仲間と深酒をして、目を覚ましたのは午前10時。かみさんはとっくに仕事に出掛けてしまっています。犬のこむぎと散歩に出掛け、戻ってきたのが11時過ぎ。この時間からでは自転車にしろオートバイにしろ、あまり遠くへは行けそうもありません。という訳で、中央道で相模湖ICに出て、秋山街道→禾生→道坂峠→道志街道→山中湖→三国峠と、オートバイでショートコースのお散歩に出掛ける事に致しました。
最近のキャンプブームも有ってか、道志街道は慢性的に車が多い状態が続いています。その点、秋山街道(道志街道と甲州街道の間を走る県道。リニアモーターカー実験線に沿う道です)や道坂峠(都留と道志を繋ぐ県道。頂上部はトンネルになっています)は車が少なく走りやすいのであります。
三国峠で富士スピードウェイまで下ったところで陽も陰って参りましたので、来た道を引き返す事に致します。三国峠はタイトコーナーの連続する気持ちの良い道。静岡県から山梨県に入り、道は下りに転じます。周りは林が途切れ、一面のススキの原。西日を浴びて金色に光るススキの中の道を下ると、眼下には山名湖が広がり、正面には富士山が聳えます。逆光の中、あまりに幻想的な風景に感動し、シャッターを切ってみたのでした。
言いたい言葉はあったが、言わなければならない言葉はひとつも見つからなかった。
森博嗣著「ペガサスの解は虚栄か?」(講談社文庫)からのお言葉です。手前に広がるススキの原から、秋の雲が掛かる霊峰富士を仰ぎ見ます。富士の北側には飛行機雲がハッキリ残り、柔らかな西日が目の前を金色に染めています。嗚呼、あまりの美しさに声も出ません。スマホの写真でもこうですから、実物の凄さは想像して頂けるのではないかしら。
こんな場面に出会うと一眼の良いカメラが欲しくなりますけれども、スマホで撮っても一眼で撮っても、結局私の腕では、さほどの違いは出ないでしょう。それよりもこんな凄い風景に出会う機会を与えられた事に、感謝であります。
【つづく】
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