年の夏はいつもに比べて短かった感覚があります。実際に暑い時期が例年に比べて短かったのか、それとも夏の繁忙期が例年以上に忙しかった為にそう感じるのかは定かではありませんけれども、その短い夏の一日だけの休みを利用して、かみさんと犬のこむぎと3人で、清里のサンメドウズスキー場に出掛けて参りました。
ここでは無料のケージがいくつも用意されていて、犬もリフトを利用出来るのです。4人乗りリフトに私とかみさんがケージを挟むようにして座っておりましたので、こむぎも不安を抱く事無く、おとなしく座っておりましたよ。
リフトに乗って山頂に到着すると、そこはもう秋まっただ中。涼しい高原の風が吹き抜けており、空は高く青く澄み切っていて、明らかに下界とは違う色をしています。
青はどこまでも濃く、もはや黒に近かった。
新海誠著「天気の子」(角川文庫)からのお言葉です。青というよりも藍と呼んだ方が適切かも知れません。宇宙に近い、と云うと多少大袈裟ではありますけれども、下界では見る事の出来ない空であります。嗚呼、こういう空気は以前ビーナスラインに出掛けた時のモノと共通する匂いが致します。こむぎも鼻をピクピクさせて喜んでおりましたよ。
サンメドウズスキー場では夏の間、清里テラスと題して標高2,000mの場所にソファーを置いてカフェを営業しております。こうした天空のカフェでコーヒーを飲みながら下界を眺めるのも一興ではあるのですけれども、リフトに乗らずにゲレンデを歩いて麓まで下ってくるのも又楽しいもの。ススキが群生する間をゆっくり散歩するのは本当に気持ちの良い経験でした。こむちゃん、来年もまた連れてってあげるネ。
【つづく】
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