近歳のせいか、めっきり食べる量が減りました。元々健啖家を自負しておりましたけれども、50歳を越えてからの肉体的な衰えは無視出来ないレベルに。昔は、こうではなかったのですがね。
私は学生時代には柔道部に所属していて、その頃の食欲と申しますと、まさに怪獣並と呼んでも差し支えない程でした。白米を、毎日朝3合、昼3合、夜4合食すという具合。大学時代の下宿には、一人暮らしだというのに一升炊きの炊飯器が装備されておりましたからね。
食べ放題の店も得意中の得意。元を取るなどというレベルを遙かに凌駕する量を完食して、ケロリとしていたものであります。こうした傾向はかみさんも似たようなモノで、昔からよく二人でランチバイキングなどの食べ放題レストランに出掛けていたものです。
最近、私の食が細くなってきたと同時に、かみさんも同様の傾向を示し始めました。ま、かみさんは私の一歳下ですから、肉体的な衰えも同じように来るのでしょう。
衰えは自覚しているのですが、いざ外食に出掛けると、食べ放題の店に心が動かされることもしばしば御座います。実際に食べてみるとそんなに食べられないにも関わらず、健啖であった頃の記憶がそうさせるのかも知れませんね。特にお腹が減っている時など、絶対楽々食べきれると思えるのですがね・・・。Kazちゃん、バイキング行っちゃう?
やめておいたほうがいいと思う。
森見登美彦著「熱帯」(文藝春秋)からのお言葉です。食べ放題のランチバイキングに行っても、実際には元を取る事など夢のまた夢。それでも様々な味を楽しみたいと、それぞれの料理をほんのひとつまみずつ装ってみても、結局持て余してしまいます。ちょっと前までは、何度も何度も装い直しに行った位なのに・・・。
小食になったから痩せてきたかと申しますと、これが全くの逆。基礎代謝が落ちてきているのでしょう、食べる量は減っているのにどんどん太っていくという悲しい現象が発生しています。あ〜あ、歳はとりたくないものでありますなぁ。
【つづく】
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