った事に、昨年の12月頃から物欲の炎が燃え上がっており、一向に鎮火する気配がありません。狙いは勿論アウトドア用品。いわゆるグランピングと称されるような高規格でゴージャスなキャンプを目指している訳では決してなく、逆に最小限のツールだけで行なうソロキャンプを志向しているのですが、こうした野営の為の道具類は安かろう悪かろうの法則に則っている事が多く、良い品は使い勝手が良く軽くコンパクトである代わりに、高価なのであります。
現在、ソロキャンプへはスクータで出掛けております。トランスポータとして車を必要とする様な重装備ではないのですけれども、徒歩や自転車で行けるかというと今の装備ではちょっと無理。という訳で今後の目標は、ズバリ、スクータではなく自転車でキャンプに出掛ける装備を整える事、であります。スクータの場合、荷物は小さめのコンテナボックス1つにまとめて荷台に積んでおりました。しかし自転車となりますと、更なるコンパクト化を画策する必要が御座います。
道具を吟味しコンパクトにまとめていく過程において、既に持っている道具をより高機能なモノにリプレースしたり、背負いやすいリュックを物色したりと、物欲は昂進の一途を辿ります。いかんいかん。陸上自衛隊ではあるまいし、そこまでシビアに装備を吟味する必要などないのです。理屈では分かっているのです。でも、どうしようもなく欲しくなってしまうのが悩ましいところ。
ならば理屈は置きたまえ。理想を語りたまえ。
夏川草介著「本を守ろうとする猫の話」(小学館)からのお言葉です。嗚呼、本能のままに手当たり次第に物品を購入し、ソロキャンプ用の理想のパッキングを充実させたい!しかしこうした行為に一度でも手を染めれば、際限の無い深い泥沼に引きずり込まれるのは必至。物欲の深淵にハマらぬよう、今は欲望を抑えるのに必死なのでありました。
【つづく】
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