フトバンクモバイルが、ウルトラギガモンスターという名の、月間の通信量50ギガバイトのプランを用意し、このプランのキャッチフレーズとして「ほぼデータ使いたい放題」と謳っています。でもこれってかなり大袈裟な表現だと思うんですよね。
ちょっと計算してみましょう。4K画質(3840×2160)でフレームレート60fps(秒間60画面)の場合、無圧縮で約5.9Gbps、コーデックにもよりますが圧縮すると約150Mbps(秒間150メガビット)の帯域が必要になると云われています。ソフトバンクの4G回線のスピードは公称値で最高187.5Mbpsですから、150Mbpsなら回線的にはギリギリですが転送可能な事になりますね。
8ビット=1バイトですので、秒間150メガビットは、秒間18.75メガバイト。対して制限量の50ギガバイトは、50×1024=51,200メガバイトですので、これを秒間通信量で割ると、51,200÷18.75=2,731秒。4K動画だと、たった45分31秒しか視聴出来ないのであります!
50ギガバイトなんて、最高画質で動画視聴しようとしたら、たった45分で使い切ってしまう程度のデータ量。例えばこれが4Kではなく普通のHD画質での視聴に抑えたとしても、3時間しか持たない計算です。たった3時間使っただけで1ヶ月の制限量を使い切ってしまうのですから、これをもって「ほぼデータ使いたい放題」と称するのは無理があるのでは?
あなたはどうしてそう思うの?
島本理生著「ファーストラヴ」(文藝春秋)からのお言葉です。ま、実際は、H.264とかMpeg4とか、様々な高効率のコーデックを利用してデータの圧縮が図られていますから、この数倍の時間はもつ筈なのですが、それにしても1ヶ月間使いたい放題は、いくら何でも大袈裟過ぎるでしょう。携帯各社の回線契約プランは、そもそもが複雑で難解です。しかも「ほぼ」なんて表現を用いて自らの瑕疵を回避しようとするのであれば、これはもう「ほぼ詐欺」と呼んでもおかしくないくらいの話のような気が致します。
【つづく】
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