速道路における無謀運転が問題視されております。神奈川県内の東名高速における死亡事故に繋がった事案をきっかけに、YouTubeにも多数のドライブレコーダ動画がアップされるようになりましたけれども、こうした不法行為が顕在化されただけの話で、無謀運転自身はきっと以前から存在していたのでしょう。

　私も何度も同様の嫌がらせを受けた経験があります。幸いにして自動車を運転中にカラまれた事はありませんが、オートバイで走行中に大型トラックに無理な割り込みをされるのは、実は珍しい事ではないのです。トラックにしてみれば、遊び半分で目の前に割り込んで来るのでしょうが、オートバイの側から見れば、命に関わる重大なイジメに他なりません。

　私の所有するKawasaki ZRX1100号は並列4気筒の1,100ccで、出力は100馬力を越えておりますので、大型トラックにカラまれても、その加速力を利用して簡単に逃げる事が出来ます。本当はトラックの前に割り込み返してフルブレーキングをくれて驚かしてやりたい気も無いではありません。しかし、トラックがパニックを起こして他車との事故を誘発しかねませんし、そもそも走行中のオートバイに幅寄せまでするような輩(やから)ですから、こちらから刺激を与えたら執拗に追いかけようとするでしょう。短気を起こしても良い事など一つもないので、いつも逃げるだけにしています。

　短気をおこすのを許されるのは、神だけだ。

　トーン・テレヘン著「おじいさんに聞いた話」（新潮社）からのお言葉です。それでも一度、中央道下り線の甲府昭和IC手前付近で、眼前に割り込んだ上に私の進路を塞ぎつつ40Km/hまで減速された事があって、さすがにこの時は仕返ししてやりたい衝動にかられました。こちらは何もしていないのに、イキナリやられたのですよ。追い越し車線に逃げようとするとトラックも右にハンドルを切って進路を妨害するという悪質さ。それでも何とか仕返ししたい衝動を抑え、追い越し車線から走行車線に戻る振りをしてトラックを左に誘って、その隙をついて追い越し車線から前に出て逃げましたが、機敏な動きの可能な動力性能の高いオートバイだったから出来た事で、これが自動車の運転中であったなら、逃げ場を失い、高速本線上で停止させられていたかも知れません。

　短気は損気と申します。腹は立ちますけれども、そこはグッと堪えて無視を決め込むしか無さそうであります。それにしても、これって場合によっては殺人未遂行為だよなぁ。

【つづく】

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