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  今週のお言葉  

 年の夏は40年ぶりとも云われる異常気象で、毎日々々雨ばかり。その中にあって、8月9日(水)は雨の狭間の貴重な晴れの日でありました。この日を逃したら次はいつサイクリングに出掛けられるか分かりません。朝早くに万願寺基地を出て、ロードバイクのピンク号で甲府盆地を目指したのであります。

 この時期に山梨に向かうのは毎年の恒例となっております。お盆休みの頃、勝沼の大松園というブドウ即売所では、ブラックビートというピオーネ系の品種がちょうど出回る頃。巨峰のような渋みもなく、それでいて酸っぱ過ぎず、ピオーネよりも大粒。ブラックビートは最高に美味しいのです。

 荷積載量が限られているロードバイクで出掛けますと、ブドウはとても持ち帰れませんので、結局その場で注文するだけで、宅配便で送って貰う事になります。だったらわざわざ自転車で山梨まで行く必要なんて無いじゃん、と思うかも知れません。えぇ、その通り。大松園はネットでも電話でも注文を受け付けていますから、出掛ける必要なんて本当は無いのです。ましてや最高気温39度の日に峠越えの100Kmのサイクリングなんて、ハッキリ云って狂気の沙汰。でもね、そこは自転車乗りの矜持(プライド)とでも申しましょうか、とにかくお盆休みには自転車で勝沼に出掛けてブドウを注文するというのが、ここ5〜6年Yas家の恒例行事となっているのでありました。

 今年も無事にブドウの注文を果たし、JR石和温泉駅までやってきました。ここまでの走行距離はちょうど100Km。自転車で往復すると200Kmになってしまい、これはかなりキツいですから、ここからは輪行(りんこう)で帰る事にします。あ、念の為に説明申し上げますと、輪行というのは、自転車を分解(といっても前後輪を外すだけですが)して専用の袋にパッキングし、電車で移動する事を云います。JRの規定では自転車をそのまま電車に乗せる事は許可されず、分解して袋に詰めて初めて、手荷物として列車内に持ち込めるのであります。

 駅前の屋根下で自転車を分解しようと準備しておりますと、年の頃45〜50歳くらいの男性の方から「あの〜、今度ロードバイクを買おうと思っているんですけど、分解して袋に詰めるところを撮影させて貰っても良いですか」と話し掛けられました。輪行袋へのパッキングにはコツがありますから、私の作業を参考にしようというのでしょう。「全然問題無いっすよ」とお答えして、作業に取りかかりました。

 まずは自転車を逆さにします。その際、速度計や前照灯やフロントバッグなどが傷つかないように先に外しておきます。水筒は中身を捨てた上でボトルケージにセット。こうすれば嵩張る水筒を別に持ち歩かなくて済みます。前後輪のクイックレバーを緩めて車輪を取り外すとともに、事前に用意してあったエンド金具をフロントとリアにそれぞれ装着します。特にリアは変速機が接地して壊れてしまわないようにスペーサを挟むとともに、チェーンをエンド金具に経由させます。そのまま、リアディレイラとサドルを接地させるように立てた上で、車輪をフレームに固定します。その際フレームに傷が付かないように、接触部分を古タオル等で養生するのを忘れてはなりませんぞ。この状態のまま輪行袋に入れ、BBとステムに肩掛け用のベルトを通して出来上がりです。ここまで約5分弱。私も初めは時間が掛かりましたけれども、慣れると意外に手早く出来るようになるものなのですよ。声を掛けてきた男性は、スマートフォンのビデオカメラで一連の作業を撮影していらっしゃいました。

 そんなことより触った方が覚えるよ。

 有川浩著「旅猫リポート」(文藝春秋)からのお言葉です。まさにその通り。ビデオで研究するのも良いですが、こういう作業って、実際にやってみる事が大切なのであります。慣れた人の作業ってかなり効率化されていて、何気ない動作で複数の事をこなしたりしているモノ。相手が慣れていればいる程、いくら真似をしようとしてもその通りには出来ないのが普通であります。時間が掛かっても良いですから、失敗しながらも自分自身で作業してみるうちに、段々上手くなっていくものなのでありますからなぁ。

 あ、そうそう、輪行は出掛ける前に何回か予行演習をしておく事をオススメしますぞ。Copyright (C) by Yas / YasZone

【つづく】

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