レビのワイドショウを観ると様々な細かなニュースを大袈裟に取り扱っていて、確かに一つ一つの案件に問題点が内包されている事は分かるのですが、例えば東京から僅か1,300Kmしか離れていない彼(か)の国で、核ミサイルの実戦配備の準備が着々と進んでいたり、近くの大国が空母を仕立てて海のテリトリを拡張しようと画策していたり、といった重要な案件を放っておいて良い程のものかと云えば、答えは否でありましょう。

　秘書をバカ野郎と罵った女性議員や、失言を繰り返す元防衛大臣や、重婚だと騒がれた浮気な男性議員や、市議と不倫する元アイドルの議員や、改革を謳(うた)う割には主義主張が全く見えない大量の一年生都議など、国全体の安全が揺らぐようなこの状況下においては、はっきり申し上げてどうでも良い事ばかり。

　本来ニュースにならないようなことが大ニュースになってしまう。

　有本香著「『小池劇場』が日本を滅ぼす」（幻冬舎）からのお言葉です。米国大統領戦でも、英国ブリグジット問題でも、そして我が日本においても、メディアによる明らかな偏向報道によって、本来議論すべき重要な事が誤魔化され、その代わりに、本来ニュースにならないようなことが大ニュースになってしまうのは、大きな流れを見失いやすいという面において、大問題であると思うのです。いや、もし本質を理解しているにもかかわらず視聴率優先でこうした行動を取っているとすれば、メディアによる犯罪行為と呼べるかも知れません。

　特に私は東京都民でありまして、都民税を支払っている者として、豊洲市場に無駄な税金を投入するのは絶対にやめて貰いたいですし、粛々とオリンピックの準備を進めるべきだと思いますし、そもそもミサイル飛来に対する避難訓練や、物理的な防御・対抗措置の整備を急ぐべきだと思います。その為にも、つまらない案件を針小棒大に報道するのはやめて、きちんと伝えるべき事を、公正中立な立場で周知させる事にこそ、世のマスコミは注力して頂きたいと切に願う次第であります。

【つづく】

「今週のお言葉」の目次に戻る

「やすなべの目次に戻る」