々にロードバイクを復活させて、仕事前の平日の午前中に40Km程走るようにしております。ルートは万願寺基地から羽村の玉川上水取水堰(ぜき)への往復。多摩川サイクリングロードを遡上する平地走行に過ぎませんから、運動強度としては非常に低いのでありますが、ま、長期に渡って運動をサボっていた身のリハビリテーション走としては、まずは妥当な負荷と申せましょう。

　職業の多様化のお陰でしょうか、平日の午前中、多摩川サイクリングロードには多くのサイクリストが繰り出しています。私のようにのんびりと流している方も、ガシガシと推定35Km/h程度で疾走している方もいらっしゃって、ペースも人それぞれ。

　そう云えば、以前は他人の速度や順位を大いに意識したものでありました。何しろ八王子市内の甲州街道（R20）を走行中に無理な追い越しをしたロードバイクを、延々大月まで追いかけた事すらありましたからなぁ。しかし私も50歳を越えましたし、更に今回のブランクを鑑(かんが)みますと、誰かに抜かされた事で躍起になったり無理に追従しようとしたりといった覇気が失われても、それはむしろ当然な事でありましょう。泰然と自分のペースで進むのが、オサ〜ンの特権だったりしますからなぁ。

　誰にも好かれていないから嫌われないように努力する必要がないという楽さに似ている。

　又吉直樹著「劇場」（新潮社）からのお言葉です。無理に頑張ったりする必要が無いと、非常にリラックスして、サイクリング自体を楽しむ事が出来ます。若い方に抜かされても、笑ってやり過ごせますからね。周りのペースに合わせるだけの体力が失われた今となっては、集団での走行はみなさんに迷惑を掛ける事になってしまいますから自然と一人で出掛ける事が増えるでしょうが、元々一人で走る事に抵抗はなく、いやむしろ気楽なソロ・サイクリングを好む傾向が以前から強かった事を考えますと、当然の成り行きと云えそうです。私の自転車遊びもいよいよ円熟期に入ろうとしているのかも知れません。

【つづく】

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