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  今週のお言葉  

 の職場である万願寺基地の前にはバス停があるのですが、先日そのバス停の前で、歳の頃70代前半とおぼしきご婦人が、一生懸命バスの時刻表をメモしようとしておりました。ところがお使いになっているメモ用紙がとても小さいのですな。しかもクリップボードなど、台紙の代わりとなるものもお持ちでなく、難儀そうに書いています。時刻表は、平日用、土曜用、日曜祝日用に分かれていて、まだまだ掛かりそうであります。というか、そんな小さな紙に全てを写すのは無理じゃないかしらん。

 私はすぐに万願寺基地に戻り、ネットで京王バスのバス停別時刻表を調べてプリントアウトし、そのご婦人にお渡ししたのであります。勿論、読みやすいように活字のフォントを大きめに設定したのは云うまでもありません。

 「私はすぐそこで働いている者ですが、時刻表を写していらっしゃる御様子でしたので、時刻表をプリントアウトして持ってきました。どうぞお使い下さい」と申し上げると、ご婦人は「これはこれは、有り難う御座います」とおっしゃいました。時刻表の転写作業はことの外大変だったようであります。

 ご婦人は、「何かお礼をしたいのだけど・・・」とおっしゃいます。

 いいんです、そんな事は。

 森見登美彦著「夜行」(小学館)からのお言葉です。実際、ネットの情報をプリントアウトするなど簡単な事ですし、お礼を頂くようなものではありません。すると「こんなモノしか無いのだけれど、是非ともあがって下さいな」と、私に蜜柑を一つくれたのでした。

 遠慮なく頂いた蜜柑は小ぶりでしたがとても甘く、よく考えたら私にとって今シーズンの初物でありました。東京では人とのふれ合いが少ないと云われていますが、日野には普通にこうしたやりとりが残っております。あ、日野市って一応東京都内なのでありますがね。新宿まで京王線で30分と便利な割に、田舎の部分が程良く残っているのですなぁ。Copyright (C) by Yas / YasZone

【つづく】

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