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  今週のお言葉  

 野市のお隣八王子市に恩方(おんがた)という集落が御座います。八王子駅近くの水無瀬(みなせ)橋に端を発し、この集落を貫く形で藤野に向かう都道521号線、通称、陣馬街道を西進しますと、道は急激な登りに変わって参ります。和田峠です。東京都の西側に住むサイクリストには「鬼の和田」と呼ばれてリスペクトされているこの峠、何しろ斜度がハンパないのでありますよ。

 私も鬼の和田峠には何度となく登っておりますが、只の一度も楽に登れた事はありません。毎回、何とかかんとか足つき無しで登頂してはおりますけれども、それはあくまで結果論。足をついて休んでしまおうか、という誘惑と戦うのはいつもの事であります。途中、急な左ヘアピンが2ヶ所存在し、そこが最大の難所にあたります。交通量が少ないのを良い事に、傾斜の緩い部分を狙って右側通行したり、蛇行したりと、ありとあらゆるズルい手段を駆使して、足をつかないで毎回何とか凌いでおります。スピードはヒト桁Km/h。慣性限界ギリギリで、自転車が倒れないのが不思議なくらいの遅さです。意地だけで漕ぎ続けるのです。先月、我がURIBOZのちょっとしたイベントがあって、2週連続で和田峠に出掛けたのでありますが、いや〜、大層疲れました〜。

 がんばれ。もう少しの辛抱だ。

 萩原浩著「ストロベリーライフ」(毎日新聞出版)からのお言葉です。斜度もここまで来ますと、サイクリングと云うより我慢大会に近いものがあります。登っている間は辛いだけで何も楽しくありません。景色を眺める余裕もありません。ただ、峠の茶屋まで足つき無しで登れたという達成感を味わう為だけに登るのです。これってマゾヒズムそのものですよね。変態的な快感と究極の達成感を求めるならば、迷わず鬼の和田峠へGO!でありますぞ。Copyright (C) by Yas / YasZone

【つづく】

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