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  今週のお言葉  

 籍について、購入せず図書館で借りればそれで十分だ、とおっしゃる方がいらっしゃいます。実際のところ何回も同じ本を読み返す事は稀ですし、もし仮に読み返したいのであれば、もう一度借りれば良いだけの事。そこまで分かってはいるのですが、私は、あくまで本は買って所有したい派であります。

 全ての蔵書を新品で揃えようとすれば相当な金額になってしまいますので、古書店もよく利用します。経済的な問題だけではありませんよ。特に老眼が進んだ身にとっては、活字の大きな単行本は魅力です。ところが、現時点で単行本は絶版になっていて流通しているのは文庫版のみという本も多く、そういった観点からも、古書の利用は有効なのであります。

 私の場合、本の置き場所に関してはかなり恵まれていると申せましょう。職場に私専用の書庫を持っていますから、蔵書が増えても場所的な問題は今のところ無いのであります。まさに自営業の強みでありますな。

 学生時代に読んだ書籍を読み直そうと書庫を探してみても見つからない事は、割とよく御座います。学生時代は本代に事欠くほどの貧乏生活を送っておりましたので、図書館で借りて読んだモノも多いのです。勿論、中には、かつて所有していた筈なのに、無くしてしまった本もあります。私は、友人に本を貸す事を厭わない性癖の人間でありまして、ご存じの通り、貸した本が戻って来ない確率は意外なほど高く、これが散逸の大きな原因となっているのです。

 戻って来ない本を再読したくなって、アマゾンで検索してポチっと購入してしまう事もしばしば。かつて所有していた本を再度購入するなんて無駄な事するなよ、貸した人に督促(とくそく)すれば良いじゃないか。そうした意見はよ〜く分かります。でも経験上、督促するまで本を返さない人の多くは、督促しても結局返さないのでありますよ。ハッキリ云って督促のやりとり自体が面倒臭いのです。

 無駄かどうかは、考えたことがありませんでした。

 宮下奈都著「羊と鋼の森」(文藝春秋)からのお言葉です。貸した本の何割かは返ってこない訳ですし、その責任の一端は貸した私にもあるのですから、しばらく待って返ってくる気配がない場合は、一切の督促などせずに再購入するのが私のやり方です。本を貸す以上、この程度の覚悟は、ある意味必須でありましょう。

 あきらめて再購入した後に、本が返却される事もタマにあります。私の蔵書に同じ本が2冊存在するという事実の裏には、こうした理由があったのでした。Copyright (C) by Yas / YasZone

【つづく】

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