になりますと、急に自転車に乗る機会が減ってしまいます。何しろ寒いですからなぁ。陽が暮れるのが早いですから、なるべく朝早く出発しなければいけないのに、明け方の寒さときたら、もう半端なし。そんなこんなで出発を逡巡しているうちに、ズルズルと出掛けるのが遅くなってしまいます。出発が遅れれば長距離行は諦めざるを得ず、結局、短距離のご近所自転車散歩に落ち着いてしまう事になるのでありました。

　冬に自転車が億劫になる理由はそれだけではありません。東京の西部に位置する日野市は、どこへ行くにも峠を越えなければいけないのであります。汗をかいてしまうと、それが冷えて風邪を引くのは確実です。冬のサイクリングは、汗をかいてはイケないのであります。唯一坂道がないのが多摩川サイクリングロードなのですけれども、この時期は慢性的に強風が吹いていて、お世辞にも良い出掛け先とは云えません。遮蔽物の全くない河川敷で、風をまともに受けつつ走る苦労と云ったら！　かくして、この時期の出不精癖は、より深刻な状態に陥っていくのでありました。

　人間の体は正直で、たった数ヶ月サボっただけで、体力はめっきり落ちてしまいます。体力に自信がないから出掛けない。出掛けないから体力が落ちる。こうなってしまったら負のスパイラルそのものでありましょう。

　こんな中、今週末、三島に行く用事が出来たのでした。夜の用事ですから向こうに夕方に着けば良いし、一泊する予定なので、本来であれば行きは自転車で箱根を越えて出掛け、日曜日に輪行で帰ってくるのがベストなのですが・・・。

　それは無理です。

　立川談春著「赤めだか」（扶桑社）からのお言葉です。体力が落ちまくっていて、箱根越えの100Km超サイクリングなんて、とてもとても。仮に無理して出掛けたとしても、箱根を登れば大汗をかくのは必至であります。芦ノ湖近辺は下手すりゃ氷点下かも知れませんし、下りで風邪を引くのは、もはや確実。しかも最新の天気予報によると、土曜日は雨のようでありまして、どういう切り口で考えてみても、箱根越えの三島行きは無理なのであります。

　かくして出不精癖は、昂進の一途を辿るばかりなのでありました。あ〜あ、相変わらず駄目だねぇ。

【つづく】

「今週のお言葉」の目次に戻る

「やすなべの目次に戻る」