ードバイクに乗っていて、どうしても避ける事が出来ないのがパンクであります。700c23という規格の幅23mmの細いタイヤに8気圧〜9気圧程の高圧で空気を入れるのですが、ママチャリなどの実用車に比べて、軽量化の為にタイヤもチューブも薄く作られていますから、割と頻繁にパンクしてしまいます。走行性能を優先する代わりに耐久性が犠牲になっているという訳。勿論、普通のローディは交換用のチューブやインフレータ(空気入れ)を携帯しています。出先でパンクした際それを自分で修理するのは、いわば当たり前の事なのです。
比較的簡単に修理出来ると云っても、出来ればパンクは避けたいモノ。手早く修理したとしても10分は掛かりますし、平均時速25Kmで走っていたとすれば、集団からは約4.2Km離されてしまう事になります。この後、時速30Kmで集団を追い上げる(相当キツイ)にしても、追いつくまでに50分間掛かる計算ですからね。たかが10分と云えども、意外に大きな損失なのであります。
パンクの発生は偶然によるところがほとんどで、事前に予測する事は不可能であると一般的には考えられがち。しかしある程度は、運転者の注意や事前の対応によって避ける事が出来るのでありますよ。以下に幾つかの対策を挙げてみましょう。
出発時にタイヤの空気圧を確認する
タイヤの空気圧が足りないと、段差等でリム打ちパンクのリスクが高まります。特にロードバイクのタイヤは細く、タイヤの空気容積も断面積も小さいので、低圧時におけるリム打ちの確率は、ママチャリ等に比べて級数的に高くなってしまうのです。
更に空気圧が低いと乗車時にタイヤが潰れて、接地面積が増えます。すると当然、面積に比例して道路上の異物を拾う確率も上がります。
路肩に寄り過ぎない
道路には様々な異物が落ちていて、これがタイヤに刺さる事でパンクの直接の原因となります。道路は排水の為に路肩に向かって傾斜がつけられていますし、頻繁に自動車が通る真ん中部分の異物は、吹き飛ばされて路肩に溜まる傾向があります。自転車は車道の左端を走行するのが基本でありますけれども、左に寄り過ぎない事が重要。ようは異物の少ないレーンを選ぼうという訳です。路端から80cm〜100cm内側を通るだけで、走路上の異物は激減すると云われています。ま、路側帯に入らないようにする事が一つの指標であると申せましょう。
水溜まりを踏まない
雨の日は格段にパンクの確率が上がります。これは走路上の異物が濡れたタイヤに付着しやすくなる為であると云われています。水溜まりを踏んだ直後は、タイヤは雨天時と同様に異物を引きつけやすい状態になるのは当然でしょう。後続車との関係でどうしても避けられない場合は仕方ありませんが、極力水溜まりを避ける事はある意味常識であります。
これだけの事にちょっと気をつけるだけで、実はパンクのリスクはかなり減らす事が出来るのです。
ものごとは起こるべくして起こる。
小澤征良著「そら いろいろ」(新潮社)からのお言葉です。一見偶然に支配されていると思われがちな事象にも、一定の割合で必然的にアクシデントが発生するのだとすれば、その要因を極力排除する事が、結果としてアクシデントに遭う確率を下げる事に繋がる筈です。ま、パンク程度のリスクであれば大した事はありませんけれども、同様のロジックで考えれば、交通事故の発生確率も運転者の注意や事前の対応によって下げる事が出来る筈。こうした行動や注意力の有用性を理解し、改めて、注意や事前の確認を怠らぬ事を肝に命じようと考える次第でありました。
【つづく】
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