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| 大栗川沿いの遊歩道 |
週の土曜日の事。朝、自転車で出掛けようかどうしようか迷っていると、犬のこむぎがやってきて、「春になったから、春向きのお洒落なハーネス買ってよ、父ちゃん」と云うので、天気もちょっと怪しい事ですしサイクリングはあきらめて、こむぎを連れて、町田のペットフォレストにお出掛けする事に致しました。
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太田川には
見事な柳の木が
ありました。 |
ハーネスとは体に装着するベルトの事であります。リードを首輪に接続すると、引っ張られた時に首が締まっちゃうのに対し、ハーネスの場合は力が胸とお腹に分散されるので、犬本人はだいぶ楽な筈。形状的には、ベルト状のチョッキ、または、たすき掛け紐という感じであります。こむぎは普段からお出掛けの際は赤い色のハーネスを使っておりますけれども、既に3年以上使い続けている年代物でありますし、そろそろ新しいのを買ってあげても良いでしょう。
程久保基地を出て中央大学の裏山を巻くように歩いて、野猿街道に出ます。野猿街道は広い歩道が併設されていて確かに歩きやすい道ではあるのですが、大通りですから、歩いていてもあまり面白味がありません。自転車や歩行者も多く、折角の伸縮リードも使えませんしね。そこで、大栗川沿いの遊歩道を進む事にしました。
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| ツツジが満開です。 |
時折日差しもあって、暑過ぎず寒過ぎず最高の散歩日和であります。川沿いの遊歩道は新緑で溢れています。普段、散歩と云えば程久保基地の回りの裏山がほとんどで、こんな方に来る事は滅多にありません。こむぎも物珍しそうにキョロキョロしながら歩いています。
大栗川橋で川の反対側に渡ります。大栗川の支流の太田川を遡上しようという計画です。大栗川が野猿街道に沿っているのに対し、太田川は多摩ニュータウン通りに沿っています。太田川の遊歩道を使って、南大沢を目指そうという訳です。
実は太田川の遊歩道を歩くのは、今回が初めて。中々綺麗に整備された気持ちの良い道であります。自転車進入禁止ですから、安心してリードを伸ばせますしね。途中、大きな柳の木があったり、ツツジが満開だったりと、飽きる間もなく南大沢警察署までやってきました。ここから先、太田川は暗渠になってしまいます。そこで一旦、南大沢のアウトレットモールに上がり、駅から直結の遊歩道で小山内裏公園を目指します。
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ピンクのハーネスを買って貰って
ご満悦の、こむぎ。 |
南大沢は現在の町並みが開発されて日が浅いという事もあって、計画的に緑地が確保され、それらは互いに遊歩道で連結されています。緑も多く清潔感もあって、ちょっと住んでみたくなる街。駅から一般道を使わず遊歩道だけで小山内裏公園まで行けるのも、サスガという感じであります。
この公園、真ん中を尾根緑道という太い道が通っています。元々は戦車の走行試験に使っていたのだそう。戦前戦中に帝国陸軍が使っていただけでなく、1965年（昭和40年）まで陸上自衛隊車両の試験に使っていたと云います。その名残からか、戦車道と呼ばれています。今は戦車道の真ん中はアスファルトで固められサイクリングコースに、脇はウッドチップが敷き詰められジョギングやウォーキングコースとして利用されています。
小山内裏公園を一通り散策した後、多摩境駅方面に下ります。目的のお店、ペットフォレストはここからすぐです。程久保基地から約10Km。中々パンチの効いたロング散歩でありますなぁ。
こむぎを連れて店内に入ります。このお店の品揃えは中々のもので、ハーネスだけで一つのコーナーが出来上がっている程。おお！春向きのショッキングピンクのハーネスが有るではありませんか！こむぎも一応女の子。可愛い色のハーネスが欲しいよね。寸法もぴったりであります。こむぎに聞いてみますと「気に入った。これ買って〜」との事。
確かに、これは即決しちゃいますよね。
松田青子著「英子の森」（河出書房新社）からのお言葉です。今まではめていた赤いハーネスを外し、買ったばかりのピンクのハーネスを装着します。こむぎも新しいハーネスが気に入った様子。これで2,800円也は十分に安いと申せましょう。
片道10Kmのロング散歩に連れて行って貰えるは、新しいお洒落なハーネスを買って貰えるは、相当にご満悦のこむぎなのでありました。
【つづく】
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