ドイツTRIXIE社製のドッグトレーラ

　のこむぎは、「お座り」とか「お手」とか「ご飯」とか「散歩」とか「ワンしない」とか「待て」等の基本的な言葉を理解し、指示に従う事が出来ます。しかしキチンとしたトレーニングを受けた訳ではありませんので、例えば、必ず人間の左側を歩いたり、といった基本的な動作が身についていません。これはこむぎの資質というよりは、訓練方法を知らない私の問題であります。

　そんな事もあり、何気なく「ドッグトレーナー」というキーワードでGoogle音声検索を掛けてみたのでした。ところが私の滑舌が悪かったのでしょう、スマホの画面には「ドッグトレーラー」と表示され、その検索結果が並んだのでありました。むむむ、なんだこれ！！

　自転車で牽引するリアカーのような犬用の乗り物が表示されています。素晴らしい！！こんなマシンの存在自体知らなかったのですが、欧米ではこうした自転車用のトレーラは割と一般的なようでありまして、荷物を運ぶまさにリアカー状のモノから、シートベルト付きで子供を乗せて牽引するチャイルドトレーラや、犬専用で飛び出し防止ベルトのついたドッグトレーラまで、様々なラインナップが揃っています。ほとんどの機種が自転車の後輪のハブに金具を介して接続するタイプ。こりゃいいや！！

「ねぇKazちゃん」

「な〜に？」

「欲しいモノがあるんだけど、買っても良いかなぁ」

「何が欲しいの？」

「ドッグトレーラ」

「何それ？」

「こむを乗せて自転車で出掛けられるリアカーみたいな乗り物。この画像見てよ」

「わ〜！凄い凄い！！これ良いじゃん！」

「でも結構高価いんだよ」

「あのね、Yasちゃん」

「ん？」

「こむはいつまでも生きる訳じゃないんだよ。もう6歳だしね」

「うん」

「嗚呼、あの時トレーラ買ってあげれば良かったなぁって後悔しても遅いんだよ」

「うん」

「こむの為にこれ買いましょう。今すぐ買いましょう。乙女座でA型のYasちゃんの事だから、どうせ類似の製品や販売価格は比較検討済みなんでしょ？」

「うん」

「そもそも、Yasちゃんって、こういうアイテム大好きだもんね」

「ふふ」

「これで昭和記念公園のドッグランに連れて行ったら、こむは相当喜ぶと思うの」

「そだね」

　という訳で、ドイツTRIXIE社製のドッグトレーラを発注しました。トレーラの窓から顔を出して、得意げに周りを見渡すこむぎの姿が目に浮かぶようです。こむと一緒に自転車で出掛けたら楽しいだろうなぁ。歩いて行くには遠過ぎて、でも車を停めにくい場所って意外に多いんですよ。多摩川の河川敷とかね。これさえあれば、どんどん出掛けられます。

　ああ。なんとすばらしいロマンだろう。

　筒井康隆著「繁栄の昭和」（文藝春秋）からのお言葉です。こうしたトレーラを自転車に接続すると、道路交通法上は普通自転車ではなく一般的な軽車両として扱われますから、歩道の走行は一切禁止。同様にサイクリングロードに乗り入れる事も出来ません。車幅もありますから、あまり車通りの多い道や路肩の狭い道は避けた方が無難でしょう。走行ルートは限定されそうですが、そこは事前に調べたり、工夫すれば良いだけの事。いやあ、楽しみになって参りました。

　今回はトレーラだけでなく、ストローラキットも同時に発注しました。前輪を追加して、乳母車のように押す形式に変更出来る部品です。将来こむぎが歳を取って介護が必要になったとしても、これさえあれば散歩に連れて行ってあげる事が出来ますからね。

　通関手続きにどの程度掛かるかにもよりますが、11月半ば過ぎには納品されてくる予定でありま〜す。早く来ないかなぁ。

【つづく】

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