なくとも私が幼少の頃、ズッキーニなんて、巷には全く出回っておりませんでした。ズッキーニが一般的になったのって、いつ頃からだったでしょうか。ヨーロッパに出掛けた経験のある方ならば、その存在は知っていたと思うのですが、当時、日本国内では手に入れることの出来ない野菜だった筈であります。
ところがキュウリの仲間であるこのズッキーニは、近年、瞬く間に国内で普通に流通するようになってしまいました。キュウリに比べて太くて大きく、何よりあのシャキシャキとした独特の食感が特徴の野菜。海外からの空輸品もあるかも知れませんけれども、国内での栽培も盛んになっているようで、法外に高価いと云う訳でもなく、庶民的な値段で購入出来る点も魅力であります。
先日、あんまり暑いので風呂上がりにビールを飲もうと思いたちました。かみさんに声を掛けましたところ、「じゃ、すぐにもう一品作るから、ちょっとだけ待っててね、Yasちゃん！」との事。しばらくして出てきたのは、厚切りのベーコンを刻み、輪切りにしたズッキーニと一緒にダシと醤油を加えて炒めたモノに、とろけるチーズを散らしたオツマミであります。チーズと醤油の焦げた香ばしい香りが食欲をそそります。ズッキーニのシャキシャキとした食感を楽しみつつ、ベーコンとともに嚥下すりゃ、うひょ〜！口の中はパラダイスでありますよ。
これはズドンと美味い。
椎名誠著「麦酒主義の構造とその応用力学」（集英社）からのお言葉です。ダイエットしなくちゃイケナイってぇのに、こいつはビールに合う！！かくして私のダイエット計画は、かみさんの拵えた肴の前に、儚き夢と相成っていったのでありました〜。
【つづく】
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