の仕事上のお付き合いのある人で「了解しました〜99%大丈夫っす!」というセリフが口癖の方がいらっしゃいます。ところが実際のところあまり段取りの宜しくないこの御仁、結構な高確率でミスを犯してくれるのであります。
メモを取らないとか、社会人としての行動基本「ほう・れん・そう」(報告・連絡・相談)が出来ていないとか、ベーシックスキルに問題があるのは明白であります。ただ悪意のかけらもなく真っ正直な方ですので、あまり強くは責めたり出来ないのでありますよ。
相手がメモを取らない分、こちらがオーダーの要点を紙に書いて渡したり、ミーティング終了後に会議の結論の再確認のメールを一々こちらから送ったりと、それなりの自衛策は取ってはおります。ま、こういう方とも上手く付き合っていくのも仕事のうちでありますからね。それはそれで良いのですが、毎回々々「99%云々」という言葉を聞かねばならないのが、どうもねぇ。
99%の確率で成功する場合、残りの1%の確率はやけに高い。
日本マーフィー普及会編「続・マーフィーの法則」(アスキー出版局)からのお言葉です。当のご本人は「99%」を「ほぼパーフェクト」という意味でお使いのようなのですが、それなら「99%」なんて具体的な数字ではなくて「ほぼ完璧」とか「まず大丈夫」とか、もっとファジーな表現にして貰いたいものであります。だって99%って実際には非常に信頼性の低い数字なんですから。決して99%≒パーフェクトでは無いのですよ。そこんとこ理解して欲しいんだよなぁ。理系の私は、こういう、つまんない事が気になって気になって仕方がないのであります。
例えば羽田空港を考えてみましょう。年間の離発着数は38万4000回との事ですので、これを365日で割ると、一日平均1052機もの飛行機が離陸したり着陸したりしている事になります。99%の安全性の背反事象として、1%の確率で飛行機事故が発生するとした場合、実に毎日々々10機〜11機の飛行機が羽田に墜落する事になるのです。これって誰がどう考えたって、安全どころか、危険極まりないダーティ空港そのものですよね。
この御仁の「99%大丈夫っすから〜」という言葉を聞く度に「羽田空港で云えば、毎日々々10機〜11機の飛行機が墜落する位の超危険状態っすから〜」と脳内翻訳して聞くようにしていて、そう開き直って考えれば、彼のミスの多さについても少しは諦めがつこうと云うもんであります。はぁ〜。にしても社会人なんだからメモくらい取れよな。
【つづく】
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