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  今週のお言葉  

 台所が女性の聖域だったのは昔の話。男性が率先して台所に立つのは今や普通の事だそう。「男子厨房に入らず」は、もはや伝説になりつつあるのかも知れませんね。逆に玄人はだしなレベルの高い料理男子も、どんどん増えているのでしょう。先日出掛けた立川ロフトの台所用品売場でも、凝った調理器具を食い入るように品定めしていたのは、ほとんどが男性でありましたよ。

 趨勢(すうせい)は理解していても、私の場合、全くと云って差し支えない程、料理をする事はありません。まあ、たまには食器洗い位は手伝ったりもしますがね。台所は完全にかみさんのテリトリー。台所における私の専属領域と云えばコーヒーを淹れる事と包丁研ぎ位であります。

 私が小学生だった頃、確かハウス食品のCMで「君作る人、僕食べる人」というコピーが御座いました。後に、女性蔑視(べっし)云々と槍玉に挙げられておりましたなぁ。私としては決して女性蔑視の意図は無いのですが、Yas家の場合、まさにこの「君作る人、僕食べる人」状態そのものであります。かみさんは料理好き。男女平等を旨とされる方には叱られるかも知れないとしても、やはりスキルの高い人がその業務を担当するのは自然な流れでありましょう。そもそも私の(こしら)えた料理なんて、誰も食べたくねぇだろうし。

 デンマーク人の友人曰く、彼女の国では男性が料理を作れないと女性は結婚してくれないのだそうである。

 ヤマザキマリ著「望遠ニッポン見聞録」(幻冬舎)からのお言葉です。ひゃあ、このお話が本当であるとしたら、デンマークに生まれなくて良かったという気持ちで一杯であります。

 こんな私でありますが、大学生の頃はこれでもあまり外食はせず、食事の過半は自炊していたのですよ。な〜んだ料理してたんじゃん、なんて勘違いしないで下さいね。私のしていたのはまさに自炊。炊飯だけなのであります。おかずは一切作らず全てスーパーのお総菜で賄っておりました。高校時代、柔道部に属していた影響でしょう、当時の私の食事の量と云ったらハンパ無し。軽く2〜3人前はペロリとイケちゃうので、外食ではお金が掛かり過ぎてしまいます。学食で、A定食とB定食と唐揚げうどんと焼きおむすび、なんて頼み方をしたら、いかな激安の学食とは云え、生活費が逼迫(ひっぱく)してくる事は自明。そこでおかずは総菜を利用するとしても、ご飯は自分で炊く事で、経費節減を狙った訳でありました。

 当時はお金が無いのでササニシキやコシヒカリといったブランド米には当然手が出ず、標準価格米を購入しておりました。当時、消費者米価と生産者米価の調整の為、市場に出回る米を意図的に抑える政策を採っていた影響で、古米や古々米が大量にダブついていて、それを標準価格米という名で売っていたのであります。スゴいネーミングですねぇ。今のお若い方は、見た事無いでしょうな。なんかボソボソした食感で、今考えればあまり美味しいお米ではなかった筈なのですが、何しろ常に腹ペコでしたから、毎食美味しく頂いておりました。

 料理が好きな訳ではなく、そもそも経費節減の為の自炊でありますから、洗い物などの余分な手間は是非とも避けたいもの。茶碗や皿を洗わずに済むように、茶碗にヨソったりせず炊飯釜から直接ご飯を食べておりました。スーパーで買ってきたコロッケ等のお総菜も、釜のご飯の上に乗っけて食べれば、皿を洗う手間が省けます。標準価格米とは云え、炊きたてのご飯は美味しかったなぁ。炊きたてだと釜が熱くて持てないので、左手に軍手をはめて食べたものです。この方式だと電子レンジなんぞ無くても、熱々のご飯の上にポンと乗せるだけで、おかずはホカホカに暖められます。一食に2合とか3合もの白米をペロリと平らげておりましたよ。ま、その分おかずは粗末でしたがね。それにしても毎日がまるでキャンプの様な生活でありました。

 食べ終わると釜は洗わずに、すぐにお米を投入します。お米をとぐ事でお釜も同時に洗ってしまおうという作戦であります。モノグサもここまで来れば、逆に大したモノだと我ながら思う次第。とぎ汁が透明になったらお釜をセットしタイマーをON!この様にいわばチェーン・スモーキングならぬチェーン・クッキング状態で、私の電気釜は異常な程の高稼働を維持し続けていたのでありました。うわ〜それにしても、超、昭和っぽい話!でも、あの頃食べた農協ストアのメンチカツの美味さは、今でも時々夢に見るくらいであります。という訳で、古き良き青春時代のエピソードでありました〜。Copyright (C) by Yas / YasZone

【つづく】

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