段、私の帰宅時刻はだいたい夜の11時過ぎであります。仕事始まりがお昼からですから、特に勤務時間が長いという訳ではなく、いわば準夜勤という感じ。しかしさすがにこの時刻ともなれば、子供もかみさんも、既にご飯を食べ終わっています。勿論、犬のこむぎも猫のゆずとみみも、とっくに食事を済ませた状態であります。

　とりあえずお風呂に入ってから、遅い夕食を摂ります。寝る前に食べると太りやすいのは分かっておりますよ。でも中々食欲に抗(あらが)うのは難しく、いつも食べ過ぎてしまうのでありました。我ながら意志薄弱の極みである事は認識しているんですけどねぇ。仕方ないやな、こんな時間まで空腹(はらぺこ)で頑張って仕事してたんだもの。いいよねコレくらい食べたって。あ〜お腹減った〜！ご飯ご飯ご飯！！

　夕食を食べている私の周りを猫のゆずとみみが取り囲み、にゃごにゃごアピールを始めます。おや？この様子では、今夜はまだご飯を貰っていないのかな？という位の鳴き方。あまりに激しく鳴くので、ゆずに「まだご飯食べてないの？」と聞くと「うん、食べてない」と答えましたので、自分の食事を中断して、台所の食品棚から猫用缶詰を取り出してきました。かしょんとプルタブを引き、ゆずとみみ専用の食器に中身を移してあげます。ゆずとみみは狂喜乱舞。フガフガ云いながら夢中で食べています。そんなにお腹が減ってたのかぁ。こんな時間までご飯が貰えなくて、可哀想だったねぇ。

　「あれ？Yasちゃん、私、とっくに猫たちにご飯あげたよ。またあげちゃったの？」とかみさんが云うではありませんか。マジ？でもさ、さも絶食状態のような激しいアピールだったぜ。

　あなたがたは、信用できませんからな。

　梶山季之著「せどり男爵数奇譚」（夏目書房）からのお言葉です。あんな魚臭い缶詰に、何であんなに夢中になれるのか不思議であります。ま、彼女らにとって猫缶は、我慢出来ぬ程の、人生における大いなる楽しみなのでありましょう。ありり？　よく考えたら、私も「ご飯ご飯ご飯」って、ほとんど猫どもと変わらない行動を取ってますよねぇ・・・。猫と同レベルかぁ。でも、ま、とりあえず明日からは、きっちりダイエットに励もうと思います。しっかり食べるのは今夜限りね。って、誰かに「あなたがたは、信用できませんからな」と突っ込まれそうな私なのでありました。ああ、意志薄弱加減が猫並みだし・・・。

【つづく】

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