中に口寂しくなる事ってありますよね。一人ならば我慢出来ても、誰かに背中を押されてまで耐えられる方は、はっきり云って少数派でありましょう。水は低きに流れると申します。自分の自制心の無さを他人のせいにするのって大人としてどうかと思いますが、ついつい自分を正当化しちゃいがち。しょうがないよね、腹減ってるんだから。
ねぇねぇ、Yasちゃん。
どしたの。
お腹減らない?
さっき晩ご飯食べたばかりだもん。減ってないよ。
私は子供と一緒に早い時間に食べちゃったから、お腹減っちゃった。
ふ〜ん。じゃ、何か食べれば?
でも〜、夜中にチョコパイはマズいよね。
ちょっと位なら良いんじゃない?
ちょっとじゃないよ、スゴいカロリーだよ。
あのさ、例えばさ、お腹減って夜中にペヤング・ソース焼きそば食べるとするだろ。
ひゃ〜、夜中のペヤングはマズいよ。
だから例えばの話だってば。
うん。
一番大きいヤツなら1000カロリーオーバーだぜ。
げげげ。
それに比べれば、チョコパイなんて軽いものさ。
う〜ん、その通りだよねぇ。
だから食べれば良いじゃん、チョコパイ。
じゃ、食べちゃお、チョコパイ。一個だけ。
ねぇねぇ、Yasちゃん。
何?
甘いもん食べたらさ、口が甘ったるくなっちゃった。
ふ〜ん。
おせんべい食べても良い?
別に構わないんじゃない。食べれば?
そうする。
ねぇねぇ、Yasちゃん。
どしたの?
喉乾いちゃった。カルピス飲んで良い?
良いよ。
Yasちゃんもカルピス飲む?
まだお茶が残ってるから、俺はいいや。
ねぇねぇ、Yasちゃん。
ほい。
確認なんだけど。
うん。
今夜ちょっと口寂しかったからさ。
うん。
チョコパイもおせんべいも食べてカルピス飲んじゃった訳だけど。
うん。
ペヤング食べるよかマシだよね。
そだね、ペヤング1000カロリーだもんな。
そだよね〜、良かった〜。安心した〜。
へんな安心がいちばんいけないんだ。
斉藤洋著「ルドルフとイッパイアッテナ」(講談社)からのお言葉です。今日のところは、私は夕食直後だった為なんとかお菓子の誘惑を打ち払いましたが、二人で夜中にお菓子三昧してしまう事もしばしば。でも、お菓子を食べながら夫婦で話をする、いわゆる「家カフェ」って楽しいんですよね。
まだ夏真っ盛りだというのにこの食欲。本格的な食欲の秋の到来が恐ろしい、意志薄弱な夫婦なのでありました。
【つづく】
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