は仕事の繁忙期に当たり、極端に自転車に乗る機会が減ってしまいます。ま、そういう季節性のある商売なので仕方がないのですが、繁忙期の間は十分な注意が必要となります。勿論、ダイエットの話でありますよ。運動量が減る分は、食事を減らしてバランスを取るしかありませんからなぁ。
繁忙期は朝9時前から仕事で、昼食を摂れるのは午後2時頃。それとて仕事をしながらの食事ですので、おむすびとかパンとか、専ら片手で食べられるモノに限られてしまいます。エアコンのきいた涼しい室内でのデスクワークですから、物理的な肉体疲労は全くありません。ただ体を動かさないので、肩凝りや腰痛を逃れ得ぬ不健康極まりない業務形態。こうした状態での作業が、連日夜10時過ぎまで続きます。体を動かさない癖にお腹はペコペコ。朝8時に朝食を摂ってから14時間の間に食べるのは、おむすび2個程度だけですからね。
帰宅してシャワーを浴びるとやっと夕食にありつけます。ここで気を付けるべきは、自制心の箍が外れてドカ喰いしてしまう事。一応、かみさんも心得てくれていて、夕食のメニューは野菜中心であります。食べ過ぎてはいけないのは分かってるんですよ。でも美味い。ご飯は一膳だけと心に決めていても、中々我慢が出来ません。ダイエットすると決め、それをかみさんにも伝えて協力を仰いでいると云うのにご飯をお代わりしてしまうとは、何とも情けない・・・。
なによ、結局、食べるんじゃない。
文藝春秋刊「あなたと、どこかで（eight short stories）」から、吉田修一著「乙女座の夫、蠍座の妻」の中のお言葉です。我慢しなければいけないのは認識しています。でも我慢が出来ないのです。それが恥ずかしい事であるのも理解しています。全て分かった上で、お代わりしてしまうのですよ。人間って弱い生き物ですなぁ。
さて、夏の繁忙期、かみさんは先に夕食を済ませているのが普通です。流石にこんな遅い時間まで食事しないで待っているのは、美容と健康に対する悪影響を無視出来ないですからね。私が遅い夕食を摂っている隣で、かみさんはお茶を飲みながら、私と話をしたり一緒にテレビを観たりしています。
逡巡した後、そ〜っと、お代わりを差し出す私を待っていたかのように、かみさんは独自の精神的健康理論を展開するのでありました。
Yasちゃん、やっぱり食べたいモノを我慢するのは、精神衛生上良くないよ。ね。今日も朝から晩まで丸一日フルに働いてきてくれたんだしさ。その上食べるのを我慢するなんて可哀想。ね、食べて食べて。あのね、今夜はもう十分おかずがあったから出さなかったんだけど、Yasちゃんの大好きな茄子の煮浸しを拵えたんだ。美味しいよ。疲れてるかな〜って思ったから、酢をちょっとだけ強めにしたの。ね。食べるでしょ。あ、そうだ。冷蔵庫に缶チューハイもあるよ。茄子と一緒に呑むと美味しいよ。今夜はダイエットは忘れてさぁ。ね、明日からまた節制すれば良いじゃん。そうだ。私も食べちゃおう！実はチョコパイ買ってきたの。Yasちゃん一人でご飯食べるのは寂しいでしょ。だから私も一緒にチョコパイ食べるよ。Yasちゃんは缶チューハイでしょ。私はねぇ、アイスココア入れようかなぁ。待っててね。すぐ用意するね。
結局のところ、今夜も夜中に腹一杯食べてしまう自制心に欠ける夫婦なのでありました〜。Kazちゃん、心遣いは嬉しいけど、これじゃいつまでたってもダイエット出来ないよ〜。嗚呼、二人して意志弱ぇし。
【つづく】
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