月にかみさんと二人でお詣りに行った際のお話であります。元旦ほどではないにしろ、正月二日の谷保天満宮はそれなりに混んでおりました。お詣りを待つ幅15メートル程の列が、鳥居から本殿までずら〜っと続いています。私とかみさんは、最後尾に居た警備員の指示に従って、一番右側の列に並びました。
菅原道真公をお祀りしたこの神社は、学業成就・合格祈願に霊験灼かと云われているだけあって、学生さんとその家族が多いように見えます。かくいう我々も、うちの愚息の大学合格をお願いしに来ている訳ですしね。ところで、列は遅々として進みません。皆さん念入りにお願いしているのでしょう。ま、急ぐ用事が有るわけでなし、のんびりと順番を待つ事に致します。
我々が並んでいる列の右手には、屋根付きの掲示板のような絵馬架けが有って、たくさんの絵馬が奉納されています。さすが太宰府天満宮の流れを汲む神社ですなぁ。「○○大学に合格しますように」とか「必勝△△高校」などと書かれているモノがほとんど。これらの絵馬を見るともなく眺めておりましたら、中に一つだけ他に比べてちょっと異質な絵馬を発見致しました!はははははは。なんと「今年こそダイエットに成功しますように」と書かれているではありませんか。
痩せるのは願い事じゃなくて努力だから
坂木司著「和菓子のアン」(光文社)からのお言葉です。痩せたいのなら、運動するなり摂取カロリーを抑えるなり、自ら行動を起こすべきでありましょう。よりによって、こんな事、わざわざ神様にお願いするなんて・・・・・って、待てよ。受験勉強についても、自分が勉強すりゃ良いだけだし、商売繁盛も自分の才覚と努力の結果。それを神様にお願いするのって、結局のところ無責任な逃避行動である事にかわりないじゃん。
ダイエット絵馬を嗤ってはみたものの、私自身も、自らの努力すべき事を棚に上げて安易に神頼みに走っていたに過ぎないのでありました〜。嗚呼、人間って・・・。
【つづく】
「今週のお言葉」の目次に戻る
「やすなべの目次に戻る」