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  今週のお言葉  

 ソロサイクリングで最も素晴らしいのは、思索(しさく)(ふけ)る時間が取れる点ではないでしょうか。こんな書き方をしますとロードバイクにお乗りにならない方は「おいおい危ねぇじゃねぇか、もっと集中して運転してくれよ」とお思いになるかも知れません。しかし御心配には及びません。車両の運転に必要な、集中や周りへの注意力は十分に確保しつつ、余ったリソースで考え事をしているのに過ぎないのでありますよ。

 故に、サイクリング中の思索は、とりとめもないテーマである事がほとんど。仕事のアイデアを練るとか、結婚式のスピーチを考えるとか、そういった多大な脳味噌リソースを必要とする、高度で高尚な作業は元々無理なのであります。走りながらの複雑な思考は注意力散漫に直結し、故に事故を引き起こす事になりかねませんからなぁ。

 現代人の生活様式を考えますと、この「ボ〜っと、とりとめもない事を考える時間」は急速に減りつつあるでしょう。例えば私の場合、仕事もしていない、PCやiPadを操作していない、テレビも観ていない、読書もしていない、音楽も聴いていない、会話もしていない、寝ているわけでもない時間、つまり「ボ〜っとしている時間」は、ソロサイクリング以外にはほとんど無いのであります。可能性があるとすればお風呂とトイレでしょうが、私の場合、お行儀云々は別としまして、このどちらにおいても読書しているのでありました。

 「お、そろそろコスモスが満開だな」とか、「くじら公園って何でこういう名前になったのだろう」とか、「そろそろタイヤ交換しないと」とか、「前の自転車がふらつきそうだからすぐに抜かさないで様子を見よう」とか、「ややや、平地なのに心拍高過ぎじゃん」とか、「ここ20年くらいパチンコ屋って入った事ねぇなぁ」とか、「讃岐うどんが食べた〜い」とか、様々な取り留めのない事を考えながら自転車を漕ぐのは、これで中々楽しいのでありますよ。

 意識を集中せずに没頭しているようだった

 三崎亜記著「となり町戦争」(集英社)からのお言葉です。ロードバイクを安全に運転するコツは、特定の対象に意識を集中させ過ぎない事に尽きるでしょう。だからといって散漫になっているかと云えばそんな事はなく、きちんと漕ぎに没頭している。一見矛盾を(はら)んでいるように感じるかも知れませんが、「集中せずに没頭する」という言葉は、ソロサイクリングにおけるサイクリストの意識そのものを表現する、まさに至言であると申せましょう。

 一旦サイクリングに出掛ければ、8時間程度漕ぎ続ける事はそれほど珍しい訳ではありません。8時間もの間、思索に耽る機会を得る事が出来るというだけでも、ソロサイクリングに出掛ける意味があるというものであります。いやぁ、自転車って実が奥が深いですなぁ。Copyright (C) by Yas / YasZone

【つづく】

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