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  今週のお言葉  

 勤勉神話とでも申しましょうか、努力する事が美徳であるという考えは、我々の周りに意外に根強く残っています。勿論それはそれで間違いでは無いんですけれども、努力したから結果が伴わなくても許されるかと云えば、そんな事があろう筈がありません。ところが最近、そんな(やから)が増えているんですなぁ。中には主客転倒はなはだしく「昨夜は徹夜で頑張ったんですよ。そこまでやったにも関わらず間に合わなかったんですから、勘弁して下さいよ」なんていう発言を聞く事すらある位。これって実は学校での間違った教育にその根源があるように思えてならないのであります。

 「結果として上手くいかなかったが、君が努力した事は理解している。頑張ったからエラいぞ」。こうした、「姿勢に対する賛辞」は、無理にでも成功体験を積み重ねさせ、自信をつけさせるべき幼少期には有効でしょうが、高校生や大学生に対して行なうべきではないというのが、私の考えです。「頑張ったかどうか」という価値観ではなく「いい仕事をしたかどうか」という価値観で行動するように若い人たちを誘導していくのは、指導者の重要な役目でありましょう。

 高校生や大学生は、もっと大人であるべきだと思います。結果を出す事に最大限の関心を払い、そこに向けて労力や知恵を結集する事が正しいアプローチである事を理解させる。そしてそうした前提の中で、努力する事は有効な手段ではあるが決して目的ではないのだ、という事を認識させる。こうした真の教育が、高校や大学においてもっとなされても良いと思うのです。使えないヤツほど「そんな事聞いてません」と言い訳する傾向が強い。それじゃ教わった事は全て出来るのかといったら、とんでもない。結局のところ彼らは出来ない事の言い訳のネタを探しているだけなんですな。要は、若い衆のお子ちゃま的傾向が強いって事。

 徹夜はするな。睡眠不足はいい仕事の敵だ。それに、美容にも良くねぇ。

 宮崎駿監督作品「紅の豚」の中でのポルコロッソのお言葉です。かつてはこうした「いい仕事」を意識する、一種、職人的なマインドって、日本の職場じゃ当たり前だったように思います。職人気質を嫌う傾向が若い衆に蔓延すると時を同じくして、日本の隆盛に陰りが見え始めたのは偶然ではありますまい。「僕は誉められて伸びるタイプです」だとぅ。ふざけてんなよ、てやんでぃ!Copyright (C) by Yas / YasZone

【つづく】

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