転車に乗った途端に急にお子ちゃま的態度をお取りになる方を時々見掛けます。自転車に限らず、乗り物を運転すると性格が豹変する方は、割と多かったりするのですがね。私自身は、常にジェントルでありたいと考えておりますが、あまりにも大人げない態度を取られますとそうも云っていられないのであります。男という生物は、いつまでたっても子供のままなのかも知れませんなぁ。
先日自転車で、武蔵五日市から檜原村に向かって檜原街道を走っておりました。すると一台のロードバイクが、私の後ろにピッタリついてくるではありませんか。普通、こういう場面では後ろに付く前に一声掛けるのが礼儀だというのに。しかも単なる追走ではありません。後ろとの距離は車輪1個分程度以下。意図的なドラフティングです。他人から見れば私が後続車の風よけとなって引っ張っているように見えるでしょう。私の巡航速度は30Km/hちょうど位。道は檜原村に向かってダラダラ登っており、私にしてみればかなりの良いペースです。体力を温存する為に先頭交代をしながら連なって走る事は仲間内では普通の事なのですが、赤の他人に、しかも何の断りもなく引っ張って貰うなんて、明らかにマナー違反であります。
しかも後ろの傍若無人氏、ピッタリと付いている割には、注意力が散漫で、何回かハスられました。あ、ハスるとは自転車のタイヤ同士が接触する事であります。危ない事この上無し。ところが私もこの傍若無人氏を千切って逃げ切る自信は無く、30Km/h程の速度を保ちつつ瀬音之湯のところの橋を渡ります。乙訓おやき店入り口の荷田子の信号が赤になったのが見えたので手信号を出しつつ減速したところ、後ろの傍若無人氏、「何だよ、一々信号なんかで停まるなよ」と聞こえよがしに呟いたではありませんか。あのな、静かにしてりゃいい気になりやがって、ふざけんなよ。赤信号で停まるのは普通の事だろう?
ジェントルに生きる事を目標としております私では御座いますが、この時ばかりは、我慢ならねぇと申しますか、絶対に許さねぇぞと申しますか、逆鱗刺激されまくりと申しますか、怒りで目の前が白くなると申しますか、かなり頭にきたのですけれども何とか我慢したのでありましたよ。ま、「黙れこのクソ野郎」位は言い返しちゃったんですがね。傍若無人氏はすっ飛んで逃げていきました。我ながら大人気なかったと反省した次第であります。しかしどう考えても一方的に傍若無人氏が悪い状況でありましょう。しかも厳つい角刈りの大男に向かってこんな暴言を吐くとは、度胸が良いと云うか、空気が読めないと云うか・・・。
大したことない人と書いて大人とも読むけどね。
さとうさくら著「携帯を盗み読む女」(宝島社)からのお言葉です。大人げない行動に対して、私も同レベルの対応を取ってしまうとは、全くお恥ずかしい限り。これでは、まるで中学生同士の喧嘩であります。流石に私も40代後半ですし、いかなる場面においても大人の対応が取れるように、もっともっと精進しようと心に誓ったのであります。いやぁそれにしても、こんなに腹が立ったのは久しぶりでありましたよ〜。
【つづく】
「今週のお言葉」の目次に戻る
「やすなべの目次に戻る」