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  今週のお言葉  

 先日出場したグランフォンド八ヶ岳でのお話。既に100Km以上を走破し、あとは道の駅小淵沢から清里の森への登りを残すのみ。日頃の運動不足が祟って体力はガタ落ち、脚は売り切れ、腰痛まで発症する始末。絶望的な登りを前にして、弱気の虫が頭をもたげます。

 ソロツーリングであれば、間違いなく長〜い休憩を取るであろう場面。いや、もしかしたら完走を諦め、輪行してしまうかも知れない状況。ところがイベントだと、これがまだまだ頑張れるのですから、ホントに不思議であります。

 こうしたサイクルイベントでは、各チェックポイントにおける足切り時刻が設定されており、時間内にチェックポイントを通過出来ない場合は、否応なく回収バスに乗せられてしまいます。勿論こうした物理的な条件をクリア出来なかった場合は、完走を諦めるしかありません。私が申し上げたいのはこういう物理的な事では無く、もっとメンタルなお話についてなのでありますよ。

 大きなサイクリングイベントでは、あたかも川の流れのように、人々が一つの方向に進んでいきます。私の前にも人・人・人。私の後ろにも人・人・人。私に抜かされる人もいれば、私を抜かしていく人もいる。抜かしても抜かしてもまだその先にず〜と人が居て、抜かされても抜かされてもまだその後ろに人が連なっている。思わず「人生航路」という言葉を思い浮かべてしまいます。こうした状況では、脳が考える事を放棄し、惰性だけで前走者について行くような不思議な感覚に陥る事があります。特に疲弊しきっている時ほど、その傾向は強く現れるようです。

メロスの頭は、からっぽだ
何一つ考えていない
ただ、わけのわからぬ
大きな力にひきずられて走った

 太宰治著「走れメロス」の中のお言葉です。火事場の馬鹿力とでも申しましょうか、イベントでは普段の自分の力以上の事が出来てしまう事があるから不思議であります。ま、こんな事考える以前に、120Km程度のサイクリングでヤラれたりしないだけの最低限の体力維持をしておくのが先なんですがね。三年連続出場のこの大会、昨年も一昨年ももっと余裕がありましたし、そもそも最後まで走りを楽しめましたもんね。今年は完全な準備不足。やっぱ練習不足&ダイエット不足での出場はいけません。これからは、もっと真面目に自転車練習しようと心に誓う私でありました。Copyright (C) by Yas / YasZone

【つづく】

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