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  今週のお言葉  

 

  

 ヶ瀬からの帰り道でのお話です。津久井湖・花の園地から城山ダムのところまで下ったところで、前方を走行中のロードバイクに追いついてしまいました。城山ダムの上は国道413号が通っており、路側帯がとても狭くなっています。折しも夕方の渋滞のピークの時間。道には車がいっぱいの状態で、前を走る遅いロードバイクを抜く余裕がないのであります。仕方無く、このロードバイクの後ろについていく事にしました。

 城山ダムを抜けると国道は登りに転じます。さて、幅員も広くなったし、この短い登り区間で前のロードバイクを抜かそうと、私は立ち漕ぎ体制に入りました。すると、前を走るサイクリストが、ペダルからいきなり足を踏み外したのであります。ペダルのビンディングのバネが弱めだったというのは、よくある話。ところが自転車を見ると、ビンディングペダルではなく、フラットペダルではありませんか。

 パールイズミのサイクルウエアでばっちり決めているローディーの足もとがフラットペダルというのも、かな〜り珍しい状況です。私は追い抜き計画を変更し、しばらくこの自転車の後ろについて、彼を観察してみる事に致しました。

 それにしてもこの人、かなり頻繁に足を踏み外します。フラットペダルは仕方ないとしても、靴裏の材質が滑りやすいモノなのでありましょうか。カキンという踏み外す時の音からも、かなり硬質の靴裏である事が想像されます。城山高校の信号に引っかかりましたので、斜め後ろからゆっくりと彼の靴を観察します。ふむふむ。シルバーホワイトの、割とカッコ良いシューズです。シマノと書いてあります。あれ?私のシューズにそっくり。て言うか私のシューズと兄弟モデル、シマノのSH-R315ではありませんか!SPD-SLシューズのコンペモデルであります。私のシューズはSH-M315E。SPD-SLではなく、SPD用のシューズです。かみさんに言えねぇ程、高価いのでありますよ。定価は35,000円。カスタムフィット対応モデルですから、設備の整ったショップで買えば、自分の足形に合わせて熱成形する事が可能です。私もマングの大将に熱成形してもらったのであります。

 SH-R315とSH-M315Eはクリート形式が異なりますから足裏の形状は違いますが、靴本体の造りはそっくりです。へ〜私のとほとんどお揃いじゃん。

 それにしてもSPD-SLシューズを履きながらフラットペダルに乗るとは、普通の行動ではありません。もしかしたら出先でトラブルが発生して、何らかの事情でフラットペダルに交換して帰るところかも知れませんね。頻繁に踏み外す件は、これで合点がいきました。SPD-SLのシューズには硬質プラスティック製のクリートが、出っ張る形で装着されていますから、金属のフラットペダルでは、かき〜んと滑ってしまうのでありましょう。野球のスパイクでコンクリートの床を歩くのと同じ原理であります。

 更に観察を続けます。あまり見た事のないロードバイクです。フレーム材質はカーボン。色はカーボン柄です。フレームには、ANT☆RESと大書されています。「アンタレス」と読むのでしょうか。聞いたこと無いなぁ。少なくとも後輪ブレーキはシマノ105。

 信号が青に変わりました。前のANT☆RES号が出発します。え?まじ?一瞬見間違えかと思いました。まさかね。そんな事ある訳ないよね。靴を凝視します。ありゃ〜やっぱり〜。間違いありません。ANT☆RES号の彼は、シマノSH-R315カスタムフィットSPD-SLシューズを履きながら、何と、クリート(足裏の固定金具)を装着していないのでありました。定価で35,000円以上もする高価なサイクリングシューズを、単なるスニーカーとして使っていたのであります。彼がフラットペダルにしているのは、別にトラブルが発生したからではなく、元からだったのでありました。そして頻繁に発生する「踏み外し」は、SH-R315シューズの靴底の材質がカーボンである事に起因していたのでしょう。硬いカーボンと金属製フラットペダルでは、滑って当然。それにしても、これを買った自転車屋さんでは、何も教えてくれなかったのでしょうか。全くもって不思議な話であります。

 むむむひゃひゃひゃひゃひゃ〜。私、もっとスゴい事に気付いてしまいましたよ〜。ぶひゃぶぶぶぶひゃひゃひゃひゃひゃひゃ。笑いを堪えるのが、たたたた大〜変。なななんと。ヘル。メットが。逆。だよ〜!!!そうです。ANT☆RES号の彼は、ヘルメットを前後逆に被っているのであります!今年の1月22日(土)に川崎大師にお出かけした際、URIBOZ某女性のヘルメット逆被りを目撃して以来、人生2度目の逆被り目撃であります!

 嗚呼、教えてあげたい。でも彼に何から話せば良いのでありましょう。靴はおかしいは、ペダルはおかしいは、その上ヘルメットは逆被りだは、いずれの説明においても、笑いを堪えるのは至難でありますし、あまりにあからさまな指摘は、彼を傷つける事になりかねません。それ以前に逆ギレでもされたら面倒です。ホントは教えてあげるべきなのでしょうけど、波風たてないのも大人の対応かも知れないな、とも考えてしまいます。く〜っ!!どうしたらいいんだ〜っ!!

 わしら、わかっとっても、わからんふりをしとらんと、いけん

 岩井志麻子著「べっぴんぢごく」(新潮文庫)の中のお言葉です。少なくとも彼と仲間であると思われる事だけは、絶対に避けねばなりません。お腹も減っていず、ボトルも満タンにも関わらず、彼から離れる為にコンビニに寄り道します。退避退避(笑)。あ〜、それにしても、可笑しくて可笑しくて、変になっちゃいそうでした〜。ふ〜強烈!Copyright (C) by Yas / YasZone

【つづく】

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