は現在45歳でありまして、既に45年も生きてきたとも言えますし、まだ45年しか生きていないとも言える訳であります。自分で言うのもなんですが、実は非常に微妙な年頃なのでありますよ。

　お若い方から見れば、押しも押されぬ明らかなオサーンである事は間違いありますまい。ま、それなりの社会経験も積み、それなりのポジションも得ておりますしね。ですから今更、「実は子供の心を失っていない」とか、「心は二十歳」、などと申し上げましても、全く信じて貰えない訳であります。ところが諸先輩がたから見れば、まだまだ危なっかしい若造だったりするのであります。「お若いうちに好きな事やっておきなさいよ」なんてご指導を受ける事もしばしば。若くもない、でも枯れてもいない。ね？微妙なお年頃でしょ？

　少しでもやりたいことがあるならやってみればいいじゃないの。やりたいことがまったく見つからない人は沢山いるんだから。

　村山由佳著「天使の梯子」の中のお言葉です。人生って意外に短いかも知れないと気が付いたのはごくごく最近の話でありまして、この事に気付く事自体が、もう若くなくなったという事なのだと、痛切に感じる訳であります。だからこそ様々な事を、今、やってみたいのです。

　例えば現在、休みの度に、晴れてさえいれば楽しく自転車で出掛けておりますが、これだっていつまで実行可能なのかと問われれば、かな〜り不明確な事なのであります。現在のボリューム、すなわち120Km〜160Kmを日帰りで楽しくサイクリング出来るレベルは、いったい何歳まで維持出来るのでありましょうや。5年に一回新しい自転車に乗り換えるとして、私は死ぬまでにどれ程の自転車に出会えるのでありましょうや。

　自転車だけではありません。やりたい事は常に複数発生し、それらを並列に、同時進行で進めていこうとしている状態であります。まさにやりたい事だらけ。例えば現在、メインマシンを新規導入し、Windows7に移行しようとしています。DELL製のIntel-Core-i7CPU搭載の新型。メモリは16GB、HDDは1TB（物理容量3TB）です。まさに個人で使用するには十分な化け物。かなりの高速化が期待出来ましょう。

　ところが良い事ばかりではないのです。現メインマシンはWindowsXPですから、これをWindows7にする事で使えなくなってしまうアプリケーションがいくつも存在するのです。私は自営業者となった今でもソフトウエアの開発を行っており、いくつもの著作権を所有しています。現時点で販売中のソフトウエアも存在するのです。毎月著作権収入も得ています。普通の方のパソコンと違い、私の場合は開発環境も移行しなければならないですから、OSの互換性は大きな問題となり得ます。一部は新しい開発環境を導入し、一部は旧システムを騙し騙し使い続ける。Windows7ではCOMオブジェクトやクラスIDの取り扱いが一部変更になりましたし、仮想ドライブや仮装フォルダが徹底されました。こうした移行作業には相当な調査が必要なのであります。日本語版のホワイトペーパーが少ない状態ですので、ほとんどの場合英文の文献を読んで行かねばなりません。これって、その辺の専門学校に通う学生の、数倍の学習量に相当するのですよ。結局好きだから学習を維持出来るのでしょうなぁ。それにしても時間が足りな〜い。

　少しでもやりたいことがあるならやってみればいいじゃないの。やりたいことがまったく見つからない人は沢山いるんだから。

　この言葉に接した時、ちょっとした衝撃を覚えました。やりたい事が全くない人なんて、本当に居るのだろうか。私には決定的に時間が足りません。やりたい事ばかり。早くやらないと人生終わっちゃう。今は、やりたい事の優先順位をつける事で精一杯な状態です。自転車に乗って、英語の文献読み漁って、PCの環境を整えて、オートバイの改造をして、小説を読んで、DVDを観て、かみさんとお出掛けして、YasZoneの原稿を書きまくる。勿論、仕事も目一杯。故に楽しい休日は、やりたい事びっしりなのであります。

　ま、これも健康で居られるからこそ。やりたい事がいっぱいあるという幸せを噛みしめつつ、休日は、文字通り遊びに邁進する私でありました。

【つづく】

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