のみみ(アメリカンショートヘア♀)がYas家にやってきて17年間が経ちました。小さい頃から活発で病気一つせず、楽しく暮らしていた彼女でありますが、昨年の年末に顎の扁平上皮癌が見つかり、獣医さんから余命宣告がなされました。
その後すぐ、大晦日に相棒の猫のゆず(スコティッシュフォールド♀)が18歳で大往生し、寂しくなってしまったYas家でありましたが、それでもみみは、犬のこむぎと二人で仲良く暮らしておりました。
ここに来て急にみみの扁平上皮癌が悪化して参りました。下顎が壊死を起こし既に顎の骨が見え始めています。元々しばらく前から左目は見えておりませんでしたが、右目がおそらくは転移した腫瘍に裏から押されているのでしょう、ほとんど光を失いつつあります。
顎の壊死した部分をお湯でそっと洗ってやり、アズノール(褥瘡の薬)をつけてあげる事しか我々には出来ません。顎の痛覚がやられているのか、脳の痛みを感じる部位が犯されているのかは分かりませんけれども、本当に幸いな事に、痛みは感じていないようなのです。
目もよく見えませんし、体力が落ちてきて足下がフラついてしまいますが、食欲はしっかりあります。しかし顎の疾患という性質上、モノを噛む事は一切出来ませんので、食べ物はすべてペースト食。新鮮なメバチ鮪をすり鉢で擂ったり、モンプチのビーフ味をスプーンで潰してあげたりして食べさせております。
一般的に猫は体の調子が悪くなると、他者との接触を避け、独りぼっちで過ごす事を好むと云われます。ところがみみは、猫らしからぬ事に、以前に加えより甘えん坊になり、我々の膝の上で過ごしたがりますし、夜は私とかみさんの布団に入ってきて一緒に寝ようとするのです。
顎の肉が壊死を起こしているので、腐肉のような凄い臭いが致しますが、我々は毎日々々パジャマとシーツを洗濯しつつも、みみと一緒に寝ています。みみが我々と一緒に寝たがっているのですから、そうさせてあげるのが、我々に出来る唯一の事と申せましょう。
我々は医者ではありませんが、17年もみみと一緒に暮らしてきましたから、いよいよみみの具合が悪くなってきた事が分かります。おそらくこの連休を越えられるかどうか、といったところでしょう。それにしても、あれ程の傷なのに痛がる素振りを見せないのが幸いです。
みみの命の灯は、いまや消えようとしています。我々はその最後の時まで、みみが楽しく幸せに暮らせるようにケアしていこうと思います。
【つづく】
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