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  ゆずが天国へ旅立ちました  

 お知らせ

 の ゆずが昨年の大晦日に天国に旅立ちました。享年18歳。人間の年齢に換算すると88歳だそうであります。悪性腫瘍を患っていましたが、腫瘍の悪化よりも先に老衰で逝きました。眠るように穏やかな最後でした。

 口腔内の悪性腫瘍のせいで、自力でご飯が食べられなくなって以来、キャットフードをすり鉢で()って作った流動食をシリンジ(針なしの注射器)で食べさせておりました。仰向けに抱っこしてシリンジから流動食を与えると、美味しそうにコクコク飲んでいたものです。食べても食べても悪性腫瘍に栄養を取られてしまうようで、すっかり痩せてしまっておりましたけれども、彼女は非常に頑張り屋でしたし、元々生命力の強い猫だったのでしょう、最後まで食欲は旺盛でした。

 亡くなる一週間ほど前、獣医さんで処方されたステロイド剤が劇的に効き、口腔内の腫れが引いたからでしょうか、奇跡的にまた自力でご飯が食べられるまでに回復を果たしました。本当に凄い頑張りでした。ゆずはモンプチとチュールが大好きで、すり鉢でなめらかにしてあげると、それを美味しそうに舐めておりました。

 亡くなる三日前、ゆずが急にウッドデッキに出たがりました。体調が悪くなってからはほとんど外に出ていなかったのですが、久しぶりに、〜一年ぶり位かも知れません〜、外の雰囲気を楽しんでいるようでした。今思えば、大好きだったウッドデッキを最後に見てみたいと考えたのかも知れません。冬の空気は冷たいですが、日差しが当たっているデッキはほんのりと暖かく、ゆずはしばらくウッドデッキを探検した後、日向ぼっこを楽しんでおりました。

 亡くなる二日前、ゆずが急にパタリと倒れてしまいました。足が()えて踏ん張れなくなってしまったみたいでした。水を飲みたくても自力では飲めず、シリンジで飲ませてあげるとコクコクと美味しそうに飲みましたが、自力では立てなくなってしまいました。

 亡くなる前日、ゆずは完全に寝たきりになり、荒い呼吸をして苦しそうにしていました。私の年内の仕事は30日の夜までで、ゆずの命がもつかどうか心配でしたが、私が帰宅するまで頑張って待っていてくれました。夜8時半に帰宅して、ゆずをさすってあげました。シリンジでお水を飲ますと、ほんの少量ですがコクンと飲んでくれました。すると少し楽になったのでしょう、急に眠くなった様子で、私に抱っこされながらスースーと寝息をたて始めました。

 座布団を敷いた上にゆずを寝かせ、毛布を掛けてゆずの手を軽く握ってあげました。ゆずは安心したように穏やかな呼吸で眠っていました。私も、ゆずの寝るすぐそばに布団を敷き、寝ながらゆずの手を握り続けておりました。ああ、ゆずが苦しくなくなったようで本当に良かった、と思いました。でももう命が長くない事は体感的に分かりました。

 ゆずの手が動いたように感じて目が覚めました。ゆずはまだ暖かいままでしたが、呼吸は止まっておりました。時計を見ると大晦日の午前2時でした。私の横で寝ていたかみさんを起こして、一緒にゆずを撫でてやりました。

 大晦日の日に、かみさんと二人でゆずのお棺をつくりました。段ボールに白い紙を貼って、紙のお花を取り付けました。バスタオルを敷いてタオルを掛けてやると、ゆずはただ眠っているように見えました。ゆずに手紙を書きました。18年間有り難うと伝えたかっただけなのですが、思い出が多過ぎて長い長い手紙になってしまいました。その手紙をお棺に入れてあげました。10年分くらい泣きました。

 年末年始で動物の火葬場がお休みだった事、年始が私の仕事の繁忙期に当たった事、かみさんの仕事の休みと合う日程が取れなかった事などが重なって、ゆずの火葬は1月11日(水)に決まりました。冬の寒い時期でしたので、毎日保冷剤を取り替えつつ、ゆずと10日以上も一緒に過ごせたのは幸いでした。朝晩ゆずの顔を見て過ごしました。本当にスヤスヤと寝ているだけのように見えました。

 火葬の前日、かみさんと二人でゆずのお別れ会をしました。ゆずは生クリームが大好きでしたので、生クリームがたっぷり挟まったデニッシュを買ってきました。ストーブを止めて部屋を寒くして、ゆずの段ボールのお棺をテーブルの上に置いて、私とかみさんと、ゆずの思い出を話しながら夕食を摂りました。

 火葬の当日、お棺にたくさんの花を入れてあげました。仏様用のお花はちょっと嫌な気がして、ピンクや黄色の華やかなお花にしました。かすみ草もたくさん入れました。手紙も入れました。大好きだったチュールも入れました。生クリームのデニッシュも入れました。そしてゆずをお寺に連れて行きました。お寺の火葬場で、ゆずは煙になって登っていきました。10年分くらい泣きました。

 ゆずちゃん、あなたは先に逝ってしまいましたが、いずれは誰もがそちらに行くのです。ゆっくり待っていて下さい。そしたら大好きなボールで遊びましょう。モンプチも生クリームもチュールも腹一杯食べましょう。いずれ向こうで会えると分かっていても、別れるのは寂しいです。ゆずちゃん、今までどうもありがとう。そして、さようなら。Copyright (C) by Yas / YasZone

【つづく】

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