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作業の為にパネルを外します |
が通勤快速ベンリィ号。本来は新聞配達や郵便配達用の実用車として開発されたこの機体を国防色にペイントし、大いに改造を加えて参りました(詳しい顛末は「次期通勤快速バイク購入物語」をご覧下さい)。
私の仕事はいわゆる準夜勤。通常期は13時30分から仕事開始で、業務終了は22時過ぎ。繁忙期は朝から晩まで仕事ですけどネ。当然ながらベンリィ号での通勤においては夜間の走行が当たり前なので、明るいヘッドライトがあると安心です。純正のヘッドライトはHS1形式のハロゲンランプで、大して明るくない割には35W/35Wと消費電力が大きく(小排気量車にありがちな、ポヤンとしたオレンジっぽい光の電球です)、これのLEDへの交換が懸案となっておりました。
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電球の代わりのLED |
HS1形式と口金が互換のLEDランプは、巷でたくさん売られています。ところがベンリィ110の場合、これをポン付けする訳にはいかないのであります。と申しますのも、ほとんどの自動車用LED製品が12Vの直流用であるのに対し、ベンリィ号のヘッドランプはオルタネータから直に配線が来ている交流タイプでありますからな。
勿論LEDはそもそもダイオードですので、それ自身に整流機能があります。ところが一般的に、発光ダイオードの逆流時の耐用電圧はそれほど高くありませんから、交流電流にそのまま直流用のLEDランプを取り付けると、寿命が極端に短くなってしまうのでありますよ。
そこで今回は、別体の整流回路を用意する事にしました。特にオルタネータ直結である事を考えると、瞬間的に高い電圧が入る可能性を考慮しなければなりません。瞬間的な高電圧(サージ)に対応する為に単純な抵抗器を用いると通常時に暗くなってしまいますので、コンデンサを使ってリアクタンスを稼ぐように致しました。
本来はヘッドランプのハーネス全体をACC電源系(メインキーONで通電する直流12V系)に引き直せば良いのですが、そもそもベンリィ号純正のレクチュファイヤ(整流回路)とレギュレータ(電圧制御回路)の容量が小さく、ACC電源系を使い過ぎるとバッテリー上がりの可能性が出てしまうのです。その点、オルタネータ(交流発電器)直結であれば、レクチュファイヤ手前で電力を消費しているので、バッテリー充電量をそれ程シビアに気にする必要は無くなります。ベンリィ110もそうですが、小排気量車の多くはアイドリングではヘッドランプが暗く、エンジン回転数が上がると明るくなる機種が多く、これはオルタネータ直結タイプの特徴です。極性が無くサージに強い白熱電球ならこれで問題が無い(その代わりポヤンとした明かり)のですが、LED光源を不安定なオルタネータ直結の交流で使うには、それなりの制御回路が必要となる訳です。
オルタネータの交流周波数が安定せず、エンジンの回転数によっては多少のちらつきが出ますが、実用に支障がないレベル。ヘッドランプは画期的に明るくなりましたよ。今回使っているLEDランプ本体には元々冷却ファンがついていて、温度管理に関しても問題なさそうです。あとはしばらく使って、耐久性を見ていこうと思いま〜す。
【つづく】
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