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  かみさんのPOMERAに医療用語辞書をインポートしました  

 

 は以前より、POMERA DM-100を愛用しています。まさに、この文章もPOMERAで入力しております。テキスト入力に特化したマシン。本当に便利なんですよね、コレ。

 かみさんが、仕事での議事録作成の為にPOMERAを貸して欲しいと云うので、何回か使わせてあげたのですが、流石にこうしたパーソナルな機械を二人で共有するのは無理があろうというもの。私自身もYasZoneの原稿だけでなく、仕事でも使用しておりますからな。

 上の息子が大学生の時にレポート作成に使っていた、POMERA DM-100の存在を思い出しました。大学入学時に買ってあげたんだよね。電話で尋ねてみたところ、社会人になってからは(もっぱ)ら会社支給のノートPCばかりで、POMERAは全く使っていないそう。という訳で、かみさん用にすべく、宅配便で送って貰う事にしましたよ。

 昔から、上の息子は割と抜けた所があるのですが、今回もシッカリやらかしてくれました〜。送ってくれたPOMERAにパスワード設定がされていて、全く開けないのであります。パスワードを3回間違えると、電源が落ちてしまいます。これは困った。さて、どうしましょうか。

 以前、製造元のキングジムから提供されたシステムアップデート用のファイル、Pomera_Update_Dm100_V15000.bin を解析して、手掛かりを探してみる事にしました。43メガバイトもありますので、パッチではなくPOMERAのシステム本体そのものである公算が高そう。だいぶ前に、POMERAの内部のネジが緩んで中でカラカラした事があって、それを修理する時にPOMERAのCPUが東芝のTMP92CF29AFGであるのを確認しています。このCPUは32bitの80MHzで、パチンコやパチスロの制御用によく使われていたプロセッサ。これなら何とかなりそう!という訳で、取り敢えず、Pomera_Update_Dm100_V15000.binをPC上で逆アセンブルしてみたのであります。

 IPL(イニシャル・プログラム・ロード)の最初の方の記述で、スーパーリセット(工場出荷時に戻す)への条件分岐を発見。「Esc」と「→」を同時に押しながら電源を入れると「POMERAを工場出荷時の状態に戻しますか?YorN」と表示するトラップです。おそらく、メーカー修理に持ち込まれた際にサポート担当が使う為の隠しコマンドでしょう。

 スーパーリセットは無事成功し、工場出荷時に戻りました。勿論パスワードも解除されましたよ。良かった良かった。一応リバース・エンジニアリングは禁止されておりますので、良い子は真似しちゃイケませんぞ。

 これでかみさんも、自分専用のPOMERAを手に入れる事が出来ました。仕事もはかどる事でありましょう。めでたしめでたし・・・、と思いきや、彼女の入力の様子をみると、遅々として全然進んでいないではありませんか。一文字ずつ単漢字変換をしているようであります。

 かみさんは看護師ですので、議事録にも医療用語がたくさん登場するのでしょう。POMERAには、かな漢字変換システムとしてATOK通常版がプリインストールされているだけですので、医療用語を多用する文章の入力では、変換効率が上がらないようなのです。例えば「誤嚥(ごえん)」とか「鼠蹊部(そけいぶ)」とか「幻肢痛(げんしつう)」とか「腰椎棘突起(ようついきょくとっき)」などの単語は、普通のかな漢字変換システムには荷が重いでしょう。

 ネット上にMS-IME用のフリーの医療用語辞書データを発見しました。約2万語ですから大したデータ量ではありませんが(ATOKの有料の医療用語辞書は20万語レベル)、無いよりマシでしょう。このフリーのデータを一旦Windows10のATOKで取り込んで(ATOKの最新版にはMS-IME用のデータをインポートする機能が装備されているのです)、改めてATOK形式のテキストデータとしてエクスポートしました。ファイル名は「pcatok.txt」にしておきます。あ、POMERAはUNICODEに対応していませんから、テキストはUNICODEではなく、ShiftJISで保存しなければなりませんぞ。

 ここまで来ればもう一息。POMERA DM-100には、PCとUSB接続した時だけ見る事の出来る「PcAtok」という隠しフォルダが存在します。このフォルダに先ほど(こしら)えたpcatok.txtファイルをコピーした上で、「Menu」→「単語登録」→「ATOKオプション」を開き、「PC版ATOKユーザー辞書」を選択すると、「PC版ATOKユーザー辞書をインポートしますか?」と聞いてくるので、「はい:Y」を選べば、辞書データのインポートが開始されます。結局今回の処理で、21,897語が辞書登録されました。

 「陳旧性脳梗塞(ちんきゅうせいのうこうそく)の患者さんだが、嚥下(えんげ)機能が低下し食事介助が必要で、褥瘡(じょくそう)の処置も一日二回実施する」、が一発で連文節変換出来る、妙なPOMERAが出来上がりました。Kazちゃん、これ使ってお仕事頑張ってね!Copyright (C) by Yas / YasZone

【つづく】

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