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今回は、数学力号での出動です |
曜日から1泊2日でソロ・キャンプに出掛けて参りました。行き先は道志街道(R413)沿いの青野原オートキャンプ場。ここはチェックインは朝8時、チェックアウトは夕方17時なので、割とゆったり過ごせるのでありますよ。事前予約が必要ない点もGood。
土曜日の午前中は雨が残っている状態でしたので、家を出たのは雨が上がったお昼頃。今回はスクータ数学力号での出動です。数学力号は先日アルミ製の荷台をつけたばかり。荷台にコンテナボックス、足下には広葉樹の薪を10Kg程積んで出発です。
現在道志街道は、青野原と青根の間の区間が崖崩れの為に通行止めとなっていて、山梨方面に抜ける事は出来ません。青野原オートキャンプ場は東京側からはギリギリこの工事区間の手前に位置しておりますので通行止めの直接の影響は無いのですが、山梨方面のキャンプ場に出掛けようとしていた方が道志街道通行止めの事実を知らずに来て、結果として青野原オートキャンプ場に目的地を変更する事による混雑が予想されます。
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年季の入った、ダンロップVL-2 |
現地に着いてみますと、想像していた通り、キャンプサイトはほぼ一杯の状態です。ま、私は大きなタープを広げる訳でもなく、山岳用のテントダンロップVL-2を張って焚き火をするだけですので、ちょっとした隙間に潜り込めますから、多少の混みは問題ありません。しかもスクータですから車を停めるスペースも必要ありませんしね。
青野原オートキャンプ場は、道志川沿いの広い敷地を有しており、全てフリーサイトで、予約も無く完全早いモノ勝ち。それにしても昨今のキャンプブームは凄いですなぁ。連休でもない普通の土曜日なのに、お昼過ぎにはほぼ一杯なのですから。
今回の目的は、近い将来、かみさんと犬のこむぎを連れてキャンプする際の下調べ。犬を連れてのキャンプは難しく、と申しますのも、散歩させる場所の確保の問題をクリアしなければなりませんからな。特に青野原オートキャンプ場のような完全フリーサイトの場所では、誰がどこにテントを張るか分からない訳ですから、キャンプ場内では、うんちもおしっこもさせる訳にはいきません。勿論、広いドッグランが併設されていればそれに越した事はありませんけれども、中々そのような条件をクリアするキャンプ場は少ないでしょう。
青野原オートキャンプ場では、キャンプ場の敷地外へ出て散歩させるか、石がゴロゴロしている川原を歩かせるしかなさそうです。ハイキング道などが有れば良かったのですがね。
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やはり薪は広葉樹のモノに限ります |
犬つきキャンプの偵察はこれくらいにして、荷物を広げましょう、まずはテント。私の所有するダンロップVL-2は購入から既に18年も経っておりますが、ちょこちょことメンテナンスを繰り返し、未だに現役であります。割と労りつつ使っておりますからなぁ。例えばテントを直接地面に設置せず、2.7m幅のブルーシートを敷いた上に張るようにしています。これだけで床部分はかなり保護される筈ですぞ。
VL-2はテント本体を4本のペグで、フライシートを6本のペグで止める仕様。元々小さなアルミ削り出しのペグが付属しておりましたが、10本のペグのうち2本だけは頑丈な鋳鉄のペグに変更してあります。風上部分のペグ2ヶ所(テント本体を止めるペグとフライシートを止めるペグ)をこの頑丈なモノに交換するだけで、テントが飛ばされたり潰れたりするトラブルを高い確率で回避出来るのであります。風の力は以外に強く、小さなアルミペグなど強風に合えば一溜まりもありませんからね。
本当は全てのペグを鋳鉄製に変えれば完璧なのでしょうけれど、それでは荷物が重くなってしまいます。風上の2本さえきっちり止まっていれば、結構な強風にも耐えられるモノ。こうした小さな工夫で、安全性を高めつつも荷物は増やさないという、一見相反する二面性をクリアする事が出来るのでありました。ま、生活の知恵ってヤツですな。
今回はタープは持ってきませんでしたが、風を孕まない方向に開口部を向けたり、風上の2本のペグを頑丈なモノに変えておくだけの処置で、タープ倒壊の悲劇はかなりの確率で回避出来ます。特にファミリーキャンプの夕食団らん中のタープ倒壊は、悲劇を越えて喜劇ですらありますからなぁ。特に海辺や湖畔のキャンプ場など、突風を防ぐ遮蔽物の少ない場所では、こういった考慮が事故を未然に防ぐのであります。
さて、焚き火で遊びましょう。まずは薪を鉈で細かくし、焚き付けを作ります。特に今回持ってきた広葉樹の割った薪は、着火材くらいでは火がつきません。ガストーチで炙っても表面が焦げるだけ。面倒臭がらずに、きちんと細い焚き付けを作る事が肝心であります。更にナイフで、焚き付けの表面をクルクルと削りモサモサの鉋屑状にしたフェザースティックを作ります。後はこれにライターで火をつけるだけでOK。きちんと段取りすれば、着火剤なんか要りません。
火が安定して燃焼し、熾が出来たら、ジャガイモをアルミ箔で包んで投入し、焼き芋を作りましょう。同時にゴトクにヤカンを乗せお湯を沸かします。キャンプで凝った料理を作る方には感心させられますが、到底、真似出来そうもありせん。私はフリーズドライ品などを駆使して、簡単に調理を済ませるタイプ。天野フーズのフリーズドライのボルシチをお湯で戻し、それに焼いたジャガイモを投入!これだけで、かなりの御馳走でありますよ。
その他にもう一品用意しましょう。パプリカとタマネギと鶏肉を鍋に投入し軽く炒めた後、そこにペットボトルの野菜ジュースを入れます。野菜ジュースには元々各種香辛料が入っておりますからな。後は塩胡椒で軽く味を調えるだけでOK。
最後に、チョリソー(辛いソーセージ)を熾火で炙ります。これらを肴にホットウィスキーを頂きます。焚き火の炎を見ながらゆっくりと呑む、この至福感と云ったら!これぞソロキャンプの醍醐味そのものと呼んで差し支えないでしょう。
一般的に、アウトドア遊びはワイルドで健康的であると認識されがちです。確かに、ナイフや鉈を使えないといけませんし、舫い結びやエイトノット等のロープワークの知識も必要です。ペグの打ち方一つ取ってもコツがありますしね。そもそも外での活動には、漠然としたアクティブさを感じます。ところがこうした印象とは裏腹に、かなり不健康な遊びである事を認めざるを得ないのであります。
思い起こしてみますと、スクータで現地入りし、テントを設置して焚き火を起こし、料理を作ってそれを食べているだけ。最も激しい運動は、片道15m程の水道に水を汲みにいっただけ、という体たらくであります。運動量とすれば、家でゴロゴロしつつモノを食べている時と何ら変わりありません。確かに道志川の流れの音を聞きながら炙ったチョリソーを肴にウィスキーを頂くのは、作家の開高健氏に代表されるようなワイルドさを感じますけれども、摂取カロリーに対して、消費カロリーはほとんどゼロなのは、紛れもない事実。
こいつは太る。
そう云えば開高健氏も、写真を拝見する限りでは、その晩年期にはかなりデップリした体型をされておりました。キャンプや焚き火は楽しいですが、毎週末となりますと実際のところ不健康極まりない趣味であると申せましょう。
これを健康的な趣味に変えるとすれば、キャンプ道具の入ったコンテナと犬のこむぎを乗せたこむカーを自転車で牽いて道志に行って、キャンプを楽しむしかなさそうですが、積載量の問題、こむカーの車幅が渋滞の原因となってしまう問題、はたまた犬が長時間のサイクリングで飽きてしまわないかという問題など、クリアすべき点はたくさんあり、今の状態では現実的とは云い難いところであります。
【つづく】
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