さようならiPod　　

　くある話って云えばそれまでなんですが、愛用していたiPod Nano 第7世代モデルを、誤って洗濯機で洗ってしまいました。完全に乾かしてから通電してみましたが、全くの無反応。あ〜あ、やっちゃった。購入から3年弱の短い命でありました。

　私の場合、iPodで音楽を聴く事はほとんどなく、主な用途はPodCast番組の聴取。WindowsPC上のiTunesを使ってPodCast番組をダウンロードし、iPodを一々USBケーブルでPCに接続してその音声データをiPodにインストールするという形式は、今となっては些か面倒なプロセスと申せましょう。

　PodCastを聴きたいのであれば、Android版のアプリを利用すれば、母艦としてのWindowsPCを必要とする事なく、スマホ単体でダウンロードして聴く事が出来ますし、そのダウンロードもWifi接続時に自動的に行われるように設定出来ますから、ほぼメンテナンスフリーで運用する事が出来ます。更にBluetoothイヤホンを用いれば、スマホは安全な鞄の中に入れておいて、番組を聴く事が可能。今回iPodを失って初めて気付いたのですが、既にiPodは、PodCastを聴く上で必要のないアイテムだったのでありました。

　音楽や音声データが、CDやカセットテープやMDといったメディアに格納されているのが当たり前とされていた時代に、ギガバイトレベルのデジタルデータをスモールデバイスで持ち歩くというコンセプトで鮮烈なるデビューを飾ったiPodですが、スマホの登場により、そのアーキテクチャは完全に過去のモノになってしまったと云わざるを得ないでしょう。

　iPodは決して悪い機械ではありません。しかし水没により失われたにも関わらず、何の不便も痛痒も感じないのも事実。ま、Androidスマートフォンを所有するという事は、UNIXベースのコンピュータをインターネットに常時接続したまま24時間365日持ち歩くという事と同義ですから、PC系母艦＋iPodのアーキテクチャが廃(すた)れるのも当然の事かも知れませんね。電話、メール、撮影、PodCast、音楽プレーヤ、辞書、百科事典、ブラウザ、おサイフ携帯の機能が一台に集約されたスマートフォンという存在自体が、我々の生活に占める割合は高くなるばかり。このままではあらゆる作業がスマートフォンに依存する時代が到来するのも、それ程遠い未来の話ではなさそうであります。こうなりゃ思い切って、現行のマイナンバー制度なんてやめて、スマートフォンを個人識別の手段にすれば良いのにね。

【つづく】

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