型のiPhone8、iPhoneXの発売に沸くAppleでありますが、先日ふとAppleのサイトを見ていて、製品ラインナップからiPodNanoが消えているのに気付きました。ネットの情報によりますと、今年の7月に販売終了となったそうであります。
Appleは楽曲販売のスキームを、iTunes経由のダウンロード販売から、AppleMusicなどの聴き放題サービスにシフトして行こうとしているようです。こうした聴き放題実現の為には、WIFIやLTE等のネットワークサービスへの接続機能が必須となりますから、WIFIを搭載した
iPodTouchは製品ラインナップに残すとして、ネットワーク機能を持たない iPodNanoの販売を終了したという事でしょう。iPodNanoは母艦となるパソコンにiTunesをインストールしてUSB接続する必要がありますが、パソコンの家庭普及率の低下も、iPodNanoの販売終了の一因かも知れません。
それにしても、音楽を聴くという機能だけにフォーカスしますと、iPhoneは過剰なハードウエアである事は明白でしょう。例えばジョギング中に音楽を聴きたいだけなのに、10万円を超えるiPhoneXをポケットに入れる事を望む人が何人いるでしょうか。一回落とせば修理に数万円掛かるとすれば、値段的には、ノートPCを抱えてジョギングするのと大きな違いは無いのですからね。
それならAppleWatchを買えば良い、というのがAppleの論理のようであります。LTE通信機能(携帯ネットワークへの接続機能)を有したAppleWatchがあれば、単体で音楽をダウンロードし放題だし、水泳中にメールを確認したり電話に出たり出来ると、Appleは自社サイトで説明しています。
そもそも携帯ネットワークに接続出来る時点で、AppleWatchは小さなiPhone(iPhoneの機能制限版)であるとも云える訳で、音楽を聴く為にiPhoneとAppleWatchの両方を持つとすれば、基本機能の内の相当な部分が重複する事になります。これはあくまで想像の話ですが、もしスティーブジョブズが生きていたとしたら、こうした製品アーキテクチャを良しとする筈が無いと考えるのは、私だけではないでしょう。
そもそも「水泳中に電話に出られる」という考え方自体、水泳をした事のない人の意見である事は明白ですしね。
今のお若い人たちと違って我々おっさんは、ジョブズがAppleを追われた後Appleの経営が急速に左前になって、ジョブズがピクサーを売却してAppleに戻って、iPod、iPad、iPhoneとヒットを飛ばす事で会社の経営が復旧した事を知っている世代です。iPodNanoを販売終了にしたり、iPadのラインナップを徒に増やしたりといった行為によって、再びAppleが左前にならねば良いと切に願う次第であります。
販売終了に伴い、iPodNanoの中古市場価格が高騰していると聞きます。壊れても新しいiPodを買う事がもう出来ない訳ですから、現在所有している第7世代iPodNano16Gを大切に使っていこうと思いま〜す。
【つづく】
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