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  小保方晴子著「あの日」を読了しました  

 徒然

小保方晴子著
「あの日」
講談社

 保方晴子著「あの日」(講談社)を読了しました。最初に断っておきますが、STAP細胞騒動に関して、特定の方の味方をする気はありません。「あの日」という本は、あくまでも小保方氏側からの反論文でしかありませんし、彼女の言い分にも幾つか矛盾が存在する事も事実です。そもそも本件にはステークホルダが多く、それぞれの利害が複雑に絡みあっていますから、どの部分に、誰の、どのような瑕疵や悪意が存在したかを、緻密に追いかけるのは難しいでしょう。ただ一つ断言出来るのは、いい大人が雁首揃えて、あまりに大騒ぎし過ぎたのではないかという点であります。

 約2年前にもYasZoneに小保方氏の事について書いたのですが、今回「あの日」を読んでも私の考えにほとんど変わりはありませんでした。小保方氏のやり方は全てにおいて稚拙でありましょう。しかし当時彼女は30歳。世の中の事なんてな〜んにも分からないお嬢さんだったのですから、周りの大人が教育し誘導してあげるべきだった。理研をやめさせ博士号を剥奪し、女の子に全責任をなすりつけて、周りの大人たちは一体全体何を焦っていたのでしょうか。任期切れで山梨大に赴任するしかなかった男の出鱈目の尻拭いを、小保方氏がさせられた格好のように見えます。確かに彼女はミスを犯しました。しかしそれは一生を棒に振るような大失敗では決して無かった筈であります。

 直接の利害が発生した理化学研究所はさておき、直接の利害の存在しない早稲田大学の事なかれ主義的な態度には呆れて言葉もありません。今頃になって小保方氏の博士号を取り消すのであれば、当時、博士号の授与を認めた先生方全員の処罰は免れ得ない筈。卒業後しばらく経って、よりによって出身校に裏切られるとは。早稲田大学の教旨によれば「自主独立の精神を持つ近代的国民の養成を理想として、権力や時勢に左右されない、科学的な教育・研究云々・・・」となっていますが、『権力や時勢に左右されない』とは、恥ずかしげも無く、よくぞ云えたものであります。

 彼女のことに限らず、理研や大学において、こうしたつまらない責任転嫁合戦が日常茶飯事になっているとすれば、頭の良い人が日本を捨て海外に出る決断をするのも仕方ありますまい。真の問題はSTAP細胞などという些末な事ではなく、我が国にとって深刻な頭脳流出に繋がりかねない点であると思うのです。Copyright (C) by Yas / YasZone

【つづく】

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